エアラインパイロット(naoman)のブログ[ANAのパイロットA320からB737-700に機種変して、またA320に戻ったnaoman]。最近また、ブログが復活しましたね!自粛すると言って長いブランクがありました!何があったんでしょうか?わかる方いらっしゃいますか?宜しくお願いします! )●逆にアプローチが急な分、フラップなどで空気抵抗を増やしスピードをコントロールすると、エンジン出力も上がり騒音↑の可能性も(!)●決して危ないアプローチではないが、パイロットへの負担もそれなりにあるので、スピードやフラップ使用の制約には見直しも必要(?)●少しでも風が不安定な日はゴーアラウンドする機が増えるかも!アップデートアメリカのデルタ航空が新たに採用された着陸方法の「安全性が社内で確認できていない」という理由で、テスト期間であった「実機飛行確認」での運航を見合わせる決定をしました。(共同)きっと実際に飛ばしてみたパイロットからのフィードバックが良くなかったのでしょうね。航空会社側としても、注意メモを配布するだけなのか、トレーニングを強化するのか、動向が気になるところです。おしまいに最後まで読んでいただきありがとうございます!今回は「3.5°のアプローチは危ないのか?」という観点から書かせていただきました!短くまとめようと思って書き始めたのが、ILSの話などで長くなってしまいました...でも新しいアプローチの事で不安に思っていた方などの心配や、疑問を少しでも晴らせたらうれしいです!カプスケーシングって所に行ったときのです。この日は、水質問題を抱えているコミュニティーの人たちを送ってきました。あんまいいの期待してなかったので、適当に撮ったらマウントが映ってしまってた...トラフィックパターンが左なので、滑走路上を横切って左ダウンウィンドから進入しました。インスタからの引用です。ドアにはいろいろとタイプがあり、それぞれ寸法や床からドアまでの高低差が〇〇インチ以下など決まっているのですが、簡単に言うとタイプI(I型)ドアは普通の乗降用ドアぐらい大きさがあり、タイプIIIドアは翼上に脱出する時に使う小さめのドアです!このA320ファミリーの見分け方については、沢山のリクエストがあったので作ってみました!この前、飛んでいるときの様子をカメラで撮ってみました。ちゃんと安全を考慮の上、マウントを使って撮りました。場所はカナダ、オンタリオ州のフォート・アルバニー(CYFA)というところです。機種はビーチクラフトのKing AIr A100。冬の間は滑走路も雪で覆われていました。ちなみに滑走路は舗装されておらず、表面は礫で覆われいます。数年ぶりの更新になります。今回は数日前に日本でも飛行緊急停止が決まったボーイング737MAXについて、3月14日現在で分かっている所から書きたいと思います。ボーイング737MAX(以下737MAX)は、アメリカのボーイング社が製造するボーイング737の第4世代の小型ジェット旅客機です。ボーイング737は50年以上も生産が続く人気な小型旅客機で、シリーズ通算で1万機以上が生産されています。その最新機が737MAXで、ボーイングが満を持して2017年に世に送り出したのですが...デビューしたばかりの737MAX、しかも新造機での事故2018年10月29日にインドネシアのスカルノ・ハッタ国際空港を離陸したライオン・エア610便の737MAX型機が海に墜落し、乗員乗客全員189人が犠牲になりました。その5か月後、2019年3月10日にはエチオピア航空の737MAX が、同国のボレ国際空港を離陸して6分後にレーダーから消失し墜落しました。同機には乗員乗客157人が搭乗しており、すべての人が犠牲になられました。2つの事故に共通するのは以下の点です:①機体が2017年5月22日に運用を開始したばかりで、まだ新しいタイプの737MAX型機。その上、両方の事故機とも納入されたばかりの新造機であったこと。②両方とも離陸直後の事故で、コントロールにトラブルがあることをパイロットが連絡してたこと。最初の事故機は2018年8月13日にライオン・エアに納入され、機体の飛行時間は800時間ほどの新しい機体でした。エチオピア航空の事故機も、2018年11月17日に納入されたばかりでした。新しく、重いエンジン2010年にボーイングのライバルである欧州のエアバス社が、燃費の良い新エンジンを搭載したA320neoを立ち上げました。そのエアバスに対抗するためにボーイングは2011年に、新しいエンジンを搭載する737MAXプロジェクトを立ち上げました。新しく搭載されるエンジンは、燃費をよくするために737シリーズの歴史で最も大きいエンジン、アメリカのCFM International社製のLEAP1-Bを搭載することになりました。前シリーズの737NGに搭載されていたCFM56-7Bのファンの直径が155センチだったのに対し、737MAXのLEAP1-Bのファン径は176センチもあります。エンジンが大きくなるにつれ重量も16%ほど重くなり、2780kgもあります。ここで注目したいのが、737MAXが737NGシリーズをベースに、そしてその737NGは737をベースに開発された機体であって、もとの基本設計は1967年からそれほど変わっていないということです。逆に言えばそれほど基本設計が素晴らしいものだったといえるのですが...重くなったエンジンを吊り下げながらも機体の重量バランスを保つために、ボーイングはデザインを少し変更しエンジンを前の方にずらすことを決定しました。しかし、エンジンが機体重心から前に行くほど、出力を上げた時、例えば離陸時などの機首上げムーブメントが大きくなるという問題が出てきます。その意図しない機種のムーブメントを相殺し、パイロットが以前の737シリーズと同じような感覚で操縦できるように、737MAXに新しく追加されたのがMCASというシステムです。MCAS英語でManeuvering Characteristics Augmentation System、直訳すると操縦特性向上システムで、前記の通り737MAXシリーズで新たに追加された機能で、パイロットを補佐する役割をします。迎え角が大きい時、あるいは機首が極端に上がった状態になる場合、水平尾翼を自動で調整する機能で、通常飛行ではMCASは機体制御の動作を行うことはないとされています。MCASは機首の両側についている小さい翼のような、AOAセンサー(Angle Of Attack:迎え角)からの情報をもとに作動します。迎え角とは、翼に対して空気が流れてくる角度で、もし翼が水平なら0度。上昇時など、機首が上がっているときには10度ぐらい、という風にになります。機首が上がりすぎて迎え角が大きくなりすぎると、翼の上を通る空気の流れが乱れ、効率よく揚力を発生させられなくなり、危険な失速状態に陥ります。そのような状態にならないように、AOAセンサーから迎え角が大きくなっているとい信号が来た時に、MCASは水平尾翼の角度を調節し、機首下げムーブメントを発生させます。(Graphic by Mark Nowlin)最初のライオン・エア機の事故の要因と考えられているのが、このAOAセンサーとMCASです。AOAセンサーからの誤った情報ライオン・エアの事故機の要因として、AOAセンサーの不良が挙げられています。AOAセンサーが起きてもいない機首上げを感知し、MCASがそれを直そうとして自動で水平尾翼の角度を変え、機首下げムーブメント発生させたと考えられています。いったんMCASが誤作動すると、機首が急激に下がり、墜落につながる可能性が大きくなります。ライオン・エアのパイロットたちがコントロールのトラブルを伝えていたのも説明がつきます。ではこのような際に、パイロットはどうすればいいのでしょうか?そして事故機のパイロットたちはどうして事故を防げなかったのでしょうか?新しい飛行機、同じ機種、パイロットの訓練は?航空会社が飛行機を導入する時に考えなくてはいけないことが、パイロットを訓練するコストです。パイロットは機種による操縦法・コクピットの違いを混合してはいけないので、通常、旅客機の操縦資格は機種ごとに取得する必要があります。それはたとえ機体の製造会社が同じ、たとえばボーイング737とボーイング747というケースでも、パイロットはどちらかしか操縦してはいけないことになります。新しい機体を導入するということは、航空会社にとってはパイロットの訓練のコストもかかるので頭の痛い問題です。そのため製造会社は、なるべく別機体への訓練がスムーズに進むように、できるだけコクピットの内装やシステムが変わらないように設計しています。737MAXの場合、パイロットがすでにB737の操縦資格を持っていれば、737MAXのシミュレーターでの訓練も必要とされていませんでした。つまり、パイロットは実機に乗るまでMCASの動作を実際に体験することはないのです。訓練は国や航空会社にもよりますが、アメリカ連邦航空局の場合、航空会社がMCASのことを訓練内容に盛り込む必要も、パイロットに周知させることも義務化されていませんでした。そもそも、737MAXのシミュレーターを持っているのは世界でも数社だけで、ある航空会社では3時間のコンピューターでの訓練だけでB737から737MAXへの移行ができるようになっていました。自分のこの業界の経験から言うと、たぶん多くのパイロットたちはコンピューター上のプレゼンテーション形式のクラスか、講座の最中にMCASについて聞いたと思いますが、その危険性やトラブル時の対応法などは学んでなかったと思います。ライオン・エアの事故後、ボーイング社は航空会社にMCASの存在と対処法を、パイロットたちに教えるよう通達を出しました。しかし、特別な訓練は必要とせず、1時間ほどのビデオで済ませた航空会社もあるようです。コクピットでの対処法では実際にMCASが誤作動を起こし、機首が勝手に下がり始めたらパイロットはどうすればいいのでしょうか?ボーイングが出した通達によると、MCASの誤作動により、機首下げムーブメントが繰り返される可能性があり、それを止めるには水平尾翼トリムを停止させることが必要になります。トリムとは、操縦桿を操縦することによってエルロンやエレベーターを使い一時的に大きな姿勢変更するとき(例えば離陸時の機首上げ)に比べもっと、小さな姿勢変更をしたいときに使うものです。例えば巡行中に機首が上がる傾向があり、ずっと操縦桿を押し続けるのも疲れるのでトリムを使い、水平尾翼自体の角度を変えるものです。MCASはこのトリムのシステムを使い水平尾翼の角度を変えていると考えられます。なので、この水平尾翼トリムを停止させれば誤作動も止まるということです。操作手順としては、中央のコンソールの後ろ側についている2つのスイッチを下に下げます。すると水平尾翼トリムが切り離され、MCASも機能しなくなります。飛行停止は遅すぎたか?3月14日現在の時点で、737MAXを運用するすべての国で飛行停止令が出され、737MAXは完全に運用停止となっています。ボーイングはシステムのアップデートを4月末までに完了させると公表しています。専門家の中には、最初の事故の後に飛行停止にするべきだったという人もいて、自分のその意見に賛成です。737MAXは最初の事故の時、世界で納入されていた数が約200機ぐらいだったので、飛行停止による支障もそこまで大きいものではなかったと思います。なにより、人命はコストには比較できません。安全が第一の業界だからこそ、最初から飛行停止令が出なかったことが不思議で、残念です。アメリカNTSB(国家運輸安全委員会:航空事故を調査する国家機関)の元調査員は、FAAが飛行停止に踏み切らなかったのは、ボーイングを守ろうとする意図があったのではないかという人もいます。その元調査員は、アメリカの議会が第三者機関に737MAXの型式証明の試験期間中のFAAとボーイングの関係を調査するように要請する可能性も示唆しました。ボーイング社はアメリカに多大な雇用をもたらしており、トランプ大統領も737MAXの飛行停止を発表している最中に、ボーイング社の国に対する貢献を称賛しています。さらに、トランプ政権の閣僚の中には元ボーイング役員や、逆に元国家公務員がボーイングの役員に就いていす。そういう点もあってか、今回真っ先に737MAXの運用国で、飛行停止にしたのは中国でした。もし今回の事故がボーイングの機体ではなく、エアバスなど他社の機体だったらFAAの対応も違っていたのかなと考えてしまいます。FAAにどのような意図があったかは分かりませんが、航空業界がここまでの安全を確立できたのは、政治・政権から独立し、安全を第一に考える機関であるFAAが統治してる業界だからこそだと思います。最後に、お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りします。皆さんは今回の事故についてどう思われますか?飛行停止処分は早すぎですか?それとも遅すぎですか?そもそも必要ですか?1月の終わりに上海へのフライトを担当しました。ここは普段、人でごった返しているのですが、旧正月とコロナウイルスのせいで、上海の中心地もガラガラでした。この時は、まさかここまで感染が広がるとは思っておらず、ウイルスの怖さを思い知らされます。亡くなられる方も多く、世界の経済も大打撃を受けています。そこで今日は、コロナウイルスが航空会社にどのような影響を与えているか、そして航空会社がどのように対応しているか書いてみたいと思います。目次リーマンショック以上の損失は確実!飛行機が空を飛ばなくなる?!航空会社も生き残るのに必死!日本の航空会社は??まとめリーマンショック以上の損失は確実!コロナウイルスの航空業界へのダメージは深刻で、世界の航空会社で構成される業界団体IATAが3月の初めに出した報告書によると、今年の航空会社の旅客収入が最大で前年比19%減となる12兆円も落ち込むとの試算を出しました。特にダメージの大きいアジアとヨーロッパでは、それぞれ5.5兆円と2.9兆円の損失が出ると予想しています。しかし、3月24日に出てきた最新の報告書では、すでに最悪のシナリオだった12兆円の損失を遥かに超え、最終的には27.2兆円もの損失が出る可能性があると修正されました。ここまでくると、経営難の末に倒産する会社も出てきました。ヨーロッパ最大級の地域航空会社の英FlyeBe/フライビーが3月の初めに倒産し、世界中の小さな航空会社も今年中に後を追うと言われています。飛行機が空を飛ばなくなる?!もう少し運航ベースの数字を見てみましょう。こちらの表はIATAが予想している2019年と比べた今年のキャパシティー、つまり運航されている座席集の数の変化です。1Q、2Q...のQ(Quarter)とは年の1/4のことで、3か月を意味します。なので1Qが1-3月、2Qが4-6月... となります。(資料:IATA)こうして見ると、4-6月が世界的に見ても、最もひどくなる予想となっています。世界平均で去年と比べて70%ほど運航されている座席数が減り、ヨーロッパでは前年比で90%減るとなっています。それほど需要がないのです!航空会社も生き残るのに必死!各航空会社も、損失を抑えるために運航停止や政府からの援助を求めるなど、対応に追われています。まず打撃を受けたが中国の航空会社です。航空業界のアナリストによると、70%の機体が運航停止になり、パイロットやフライトアテンダントが長期無給休暇を言い渡される会社も多いようです。しかし、中国の大手航空会社の3社、エア・チャイナ、中国南方航空と中国東方航空はすべて国有企業なので、倒産はしないと考えられます。香港のキャセイパシフィック航空は、以前からのデモですでに経営が悪化していました。3月の初めに、3週間の無給休暇言い渡された3万2千人の従業員の将来も、今は分かっていません。4月のキャパシティーを96%カットすると報道されたので、無給休暇の延長、または解雇される従業員が多くなるでしょう。北米では大体70%から80%ほど減便となり、リージョナルでは倒産する会社の出てきています。大手は前年までの好景気で経済的にもある程度安定していて、アメリカでは国からの経済的援助も決まったので、国全域で閉鎖・外出禁止にならない限り大丈夫かと思われます。アメリカの大手ではまだ解雇には至っていませんが、他の航空会社では数か月全面的に運航を停止する会社も出てきて、その間は従業員も無給休暇、または解雇という事になってきています。パイロット不足で何千ものパイロットが採用されるはずでしたが、それもすべてストップしている状態です。現在感染拡大の真っただ中のヨーロッパでは、EU内でも国間の行き来が制限され、それによりキャパシティーも90%ほど減りました。かなりの大手や、各国のフラッグキャリアーが80%から90%のキャパシティーをカットした状態で運航しているぐらいで、残りはほとんどが数か月間運航停止となっています。南米・アフリカも数か月間完全にフライトをキャンセルして、その間従業員の解雇に踏み切る会社が多くなっています。便数を減らして運航しているのも、大手のLATAMやエアロメヒコ、エチオピア航空、ロイヤルモロッコ航空などぐらいとなっています。日本の航空会社は??ANAは国際線を80%減便し、国内線でも減便が進み、全体のフライトアテンダントの6割にあたる約5000人を一時帰休させる方針が発表されました。それがパイロットや整備士など他の業種へ拡大するかは、今後の感染拡大次第だと思われます。JALでも同じように、72%の国際便が減便となり、国内線も減便が増えてきています。今のところ、解雇などの報道はされていませんが、それも今後の感染拡大次第だと思われます。ANAウィングスやジェイエア、ピーチ、ジェットスター、エアドゥ、スカイマーク、スターフライヤーに関しては、全面的に運休が進んでいますが、まだ解雇などの報道はありません。まとめ●コロナウイルスの感染拡大につき、世界各国で旅行への制限がされ、とくに4-6月は去年と比べて70%ものキャパシティー減との予想。●3月の終わり現在、大手・または各国のフラッグキャリアーがキャパシティーを80%から90%カットして運航。世界的に国際便は限られた路線を残してほとんどキャンセル。●それ以外の航空会社は、全面的に運航停止するところも多。それに伴い従業員も無給休暇・または解雇。●世界中どこの会社も、採用は一時停止。新採用したパイロットの訓練を見合わせる会社も。●大手でも人員削減により、無給休暇、または解雇が進んでおり、これ以上コロナウイルスによる影響が長引けば、各国の大手も経営難に。世界中で亡くなる方が後を絶えず、この航空業界で働く何万という人達も職を失いました。そして今も、自分が感染するリスクを知りながら、海外に取り残された自国民を帰国させるために、どこかの空を飛んでいるフライトアテンダントとパイロットがいます。どうか、そんな人たちの為にもコロナウイルスが1日でも収まるように、個人ができること、まず手洗いうがい、そして必要以外の外出を控えて、皆で感染拡大を防ぐことにご協力お願いします先日、調布で小型機が住宅街に墜落するという痛ましい事故がありました。自分は飛行機アクシデントのクラスも受け持っていて、この事故のことを聞いて真っ先に頭に浮かんだのが、2000年にカナダで起きた似た事故です。カナダ東部で起きたこの事故も、小型自家用機が離陸直後に墜落するというものでした。直接的な原因は、キャブレターヒーターがONのまま離陸し、エンジンの出力が低下しているまま離陸したため、失速・墜落したと言われています。キャブレターとは日本語で気化器といい、燃料と空気を混ぜるための機関です。空気が入ってくる管の一部を細くしてあり、その部分を通る空気は速度が上がるのに伴い、圧力が低下します。この負圧を利用して、燃料を吸い出し空気と混ぜ合う機関をキャブレターと言います。キャブレターは構造も簡単で、電気など他の動力を必要としないので、ピストンエンジンの小型機では古くから使われている機関で、今でも飛んでいる多くの飛行機にもキャブレターがあります。キャブレターの難点は、機関内にできる氷です。管の細い部分から太い部分に移動するにつれ燃料と混ざった空気は膨張し、温度が低下し氷ができてしまいます。ひどい場合は空気の流れが止まり、エンジンが停止します。そのため、排気熱で温めた空気をキャブレターに誘導し氷を除去するキャブレターヒーター、通称キャブヒートを使います。しかし、空気は暖かくなるにつれ密度が低下するので、キャブヒートをONにするとエンジン出力が低下します。そのため離着陸時はキャブヒートがOFFになっているのを確認するよう、チェックリストにも載っています。カナダでの事故機は、通常1,000フィート程(約300m)あれば離陸できる所を、6,000フィート(約1,830m)かけて加速し、無理やり機首を上げ離陸しました。飛行機は地面に近い時(地上数メートル)は、地面効果と言って揚力が増します。事故機も地面効果のため離陸できたのですが、少し上昇し地面効果を失ったため失速・墜落しました。調布での事故の場合、キャブヒートのことは分かりませんが、夏の暑い日ということで温度も高かったと思われます。先程も書きましたが、温度が上がるにつれ空気密度が下がるので、揚力も低下します。飛行機自体の性能(エンジン・揚力)が低下する夏季は、ひどい場合、冬期の半分ほどの上昇率(フィート/分)しか得られない場合もあります。その上、調布の事故機も、カナダの事故機の場合も、燃料が満タンの上、ほぼ満席だったこともあり、なおさら多くの揚力を必要としている状況でした。車輪がを上げるのが遅かったという報道もありますが、離陸に滑走路いっぱい使っている時点で車輪以前の問題だと思われます。これからの調査の結果が気になるところです。飛行機のその日その日の性能は多くのことに左右されるので、離陸前に製造社発行のマニュアルでチェックし、安全を確認する必要があります。知事からは、調布空港から「自家用機を締め出す」ようなコメントも出ていますが、「自家用機だから危ない」などという発想はちょっと違う気がします。原因もまだ分かってないのですし...犠牲者の皆様のご冥福を祈り致します。資料:http://www.bst-tsb.gc.ca/eng/rapports-reports/aviation/2000/a00a0071/a00a0071.pdf飛行機の翼やエンジンの周りに現れて、幻想的イメージを演出してくれるベイパー。英語のVapor =蒸気から来ている言葉なのですが、一体どうしてこんな事が起きるのでしょうか?
コロナ禍におけるパイロット のスケジュール【2020年7月】 2020/7/2 スポンサーリンク ども、今年も半分終わ … カナダのエアラインでb787のパイロットしてます! 飛行機のことや、海外での生活で学んだことなんかを発信していきたいと思います。