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エリザベートが主役で軸がある. 「アルジェの男」に大興奮!良い作品でした。当面生観劇が出来そうになく宝塚への気持ちがやや下がっていたのですが、良い作品は配信でも十分に魅力的です。そして、ロミジュリが中止になってしまった礼真琴さんに、トートを演じていただきたくなりました。 ミュージカル『エリザベート』感想。帝国劇場にて2019年06月25日ソワレを観劇。主なキャストは、花總まり、古川雄大、平方元基、京本大我、植原卓也、原慎一郎、涼風真世、成河 ほか。 そして、次のトートの登場は宝塚版にはない場面。 史実として謎の死を遂げたエリザベートの親類達の絶命にトートが絡んでいたという描写。 そして、フランツとの冥界での激闘。 私はエリザベートという作品が大好きですが、演出で1番好きなのはウィーンオリジナルのハリー・クプファー氏のもの。 こんな時、新しく興味を持ってくれた人に、やっぱり見て欲しいじゃないですか。「一人にしてください」のセリフが、即出てきて、さらにフランツを突き放すような言い方になっていました。「舞台で繰り広げられるエリザベートは成河さんルキーニの物語」そんな風に感じる面白さ(さらに歌もうまい)に、まだまだ続投してもらいたいですが、成河さんがまた演じてくれるのかなぁ。それが心配です。井上トートの最後のダンスだけで、公演チケット分の元がとれて、おつりがくる。そうすると、その日じゃないと行けない人にチケットがますます行きにくくなり、本当に悪循環😱女官長のリヒテンシュタイン役の秋園美緒さん。国王一家の臣下で位の高い女官長の雰囲気が良く出ていて素敵~!嫁いできたシシィの側にいるけれど、お仕えしているのはゾフィー様!とばかりに、新婚翌朝の嫁姑戦争では、シシィの言動に顔をしかめてばかり。ゾフィーの言う事には大きくうなずくリヒテンシュタイン様でした。事情があるとはいえ、京本大我さんルドルフを映像に残さないのはもったいなさすぎる。。少女時代の屈託のない笑顔が、宮廷入り以降すっかり消えてしまい、以降は心を閉ざしてしまう。フランツにとって、シシィは自分を幸せにしてくれる女性で、だからずっと追い求め、最後の夜のボートにいきつく。あと、肌の色やプロポーションによるのか、精神病院の落ち着いたすみれ色のドレス姿が、とても美しいです。最初の頃は、顔が美しすぎて怖くみえたり、シシィの生き写しに見えたり、みている私が錯乱していたのですが、古川さんの美しい顔になれていくにつれ(?)シシィに命を吹き込まれ、「生・光(=シシィ)」を追い求める闇の存在に思えました。歌もパワフルで、「私だけに」「私が踊る時」のシシィの強さは、花總さんとは違った魅力がありました。転売屋の温床になっているチケットストリートなどにはあったそうですが、そこは買ってはダメと伝えました。。歌で殺されました・・・さっきも書きましたが、2019年の井上さんは世界一好きなトートかもしれないです。夜のボートの、悲しみを超えた境地にいる表情が、とても切なくて、辛い生涯を生きたエリザベートという女性を演じ切る壮絶さを感じました。公式(東宝)での購入、またはファンクラブ経由での購入が基本で(私はファンクラブ入っていないですが)、観たいときに当日券も買えちゃうのが理想。今回、前の方の席で観劇できた事が3回あり、冒頭の「我ら息絶えし者ども」で舞台前面で踊るトートダンサーの迫力といったら。田代さんは、実在のフランツ・ヨーゼフにとてもとても近い気がします。トートが思わず惹かれてしまった、自分と対局にある「生」の強さが、愛希さんにはある。本当なら死ななくて良かったはずなのに、ボタンの掛け違いで、黄泉の世界へ行ってしまった….花總さんシシィがトートを自ら呼び寄せていたとすれば、愛希さんシシィは、トートが自分にはない輝きを持つシシィにほれ込んで付きまとったという印象かな。父のフランツ・ヨーゼフに似た、一直線の真面目さと頑固さを感じます。舞台なんだけれど、映画のような映像作品にもみえるようになったというか。時間や金銭的な問題もありましたが、2016年の公演では、転売が増えて本当にチケットが買えなかった😅と、「♪あなたが側にいれば」でくるくる表情が変わる万里生フランツをみて思いました。シシィの不幸、ハプスブルク家の崩壊へとつながるシーンで、トートダンサーが出ているのをみると、なんともうまい演出だなと思います。自分がみたラストの公演では、拍手が鳴りやまず、自分も手のひらが痛くなるほど叩いてしまいました。エリザベートはとても好きな演目。でも過去の公演ではあまり多く劇場へ足を運べていませんでした。四方八方から、井上トートの波動に押しつぶされそうで、歌に圧倒される幸福をただただ噛みしめていました。マント捌き、確かにすごい恰好良かった。娘のゾフィーが亡くなるシーンで、シシィを黄泉のマントでくるんでしまうのも、トートが支配しようとしているのが伝わって、とても好きなシーンになりました。それにしても、シシィとフランツの婚礼でウェディングドレスをシシィに着せるのがトートダンサーで、オーストリア=ハンガリー帝国成立のシーンで、舞台前面に出ているのもトートダンサー。そんな2人をじーっとみる、成河さんルキーニの考えていることがとても気になりました。とても現実的なルドルフだから、本当ならトートが忍び寄る隙なんてなかったはずなのに、シシィに拒絶された絶望から、トートを呼んでしまう。トートに「死にたいのか」と言われ、銃に向かって手を伸ばすとき、泣いているんですよね。そして、シシィ絶頂期の「私が踊る時」で、トートダンサーたちが蹴散らされるように消えていくシーン。結局、ルドルフは死後もママを追い求めて言えるのかと思うと、辛い。私が観に行った公演では、調子を崩すことなく、常に素晴らしいクオリティでみせてくれ、ミュージカルに興味をもってくれた人全てに観てもらいたいです。「♪皇后の務め」「♪初めての諍い」でゾフィーから逃れ、フランツに縋りつくシシィを、「母の言う事は君のためになる」と、本心から悪気なく言っちゃっているし、18歳で皇帝となり、よくも悪くも考えも行動も宮廷生活がベースになっているので、シシィの訴えを理解できない。愛希さんシシィの大好きなシーンは、最後のダンス。運動神経がとても良いようで、トートに操られる動きが、すごく綺麗です。そういえば、シシィの最期、古川さんトートの眼がきらりと涙を浮かべたように光って見えたことがありました。その後、涙を流す姿をみた方がいるので、歴代で初めて泣くトート?2020年のエリザベートは全国(東京、大阪、名古屋、福岡)で計4ヶ月間ありますが、東京が1ヶ月だとすると、今年以上にチケット争奪戦になるかもしれない独立運動でルドルフが捕まり、フランツ・ヨーゼフに咎められるシーンでは、顔を上に向け目をギュッとつぶり、恍惚の表情を浮かべていました。う・・・美しい。山崎さんのルキーニは、エリザベートの生涯と観客をつなぐ橋渡しをしているようで、観客が舞台のことをどう思うと構わない、と突き放したような印象でした。今回、先行に手を出しまくった私が言えることじゃないかもしれませんが。覚えているのは、ルドルフの純粋で美しい魂を体現しているような皇太子。死に魅了されてしまう儚さと、それに抗う葛藤する姿。田代さんフランツがここで眼を見開き驚いてしまう表情をみると、どんなに想いがあっても、万里生フランツがシシィの本心がわかることはなく、やはり別々のゴールしか結末にない、と思えました。うぅでも観劇できないのが一番困るから、私含めてお客さんは先行に手を出し始めちゃう。そして衣装といえば、宮廷での舞踏会シーンで、豪華ながら抑えた色味の衣装をまとうウィーン宮廷の女性たちと、バイエルンの自然を思わせる、淡い色合いに身を包む、シシィ一家の衣装の対比も素晴らしかったです。私のチケットを1枚譲っても良かったのかもしれないけれど、そこは譲れなかった🥺強すぎる光の前では、消えざる得ないのか、トートダンサーさんお一人お一人の動きが、「人」ではなく、完全に「影」だけのように感じ、とても印象に残りました。体操室のシーンで、ベンチにジャンプしながら飛び乗るのが格好良かった。花總さんシシィが、トート(死)が現れることで、抗い生き続けたように、古川さんの「♪愛と死の輪舞」がとても好きで、シシィへの止められない感情にあふれているようでした。もっと前の「♪皇帝の義務」では、ゾフィーの教えを疑いもなく守る良き息子で、だからこそ当初、シシィも義務は守るべきという考えが根底にあった気がします。ゾフィーが3名も??と今回驚いたのですが、3名観劇できて良かったよー。このシーンは、とりわけ万里生フランツにとって人生の絶頂時に見える。この中で、歌が凄いといわれるのは、エコー(音響)のおかげと言っていますが・・・謙遜だと知っていますよ。閣下。花總さんシシィが迎える最期が、トートへの愛が伝わるものでした。公演が進むにつれ、フランツの人間らしい感情がより出てきたように感じます。活き活きと嬉しそうに物語をみせているのに、獄中のシーンになると途端におどおどし、シシィを刺したあとは、軍隊歩き?というのか、胸を極端にはり、腕を勢いよく振ってあるく。実在したルキーニの逮捕時の写真を参考にしたのか。「♪皇帝の義務」で、大人しくゾフィーの教えを請い、わからない事は、グリュネン伯爵を頼る。「肉親」を感じるゾフィーで、フランツの母、シシィの叔母、ルドヴィカの姉、というのが舞台上から伝わってきました。公演を重ねるにつれて、大きく変って行ったルドルだと思います。初期の頃は、帝国の将来を憂う熱血の青年と、ママを請う幼いままのルドルフを内面に抱えている印象でしたが、徐々に、孤独感が増していったように思えました。真面目な人ほど騙されやすいとも言うけれど、トートからみた木村さんルドルフは、手玉にとりやすい相手だった。とても感情的な人なのに、政治を行う為に冷たい仮面をつけていた涼風ゾフィー。フランツに「もうあなたの言う事は聞かない」と言われ、ショックをうけ、涙を流しつつも自分が行ってきた事に間違いはないと、誇りをもって最期を迎える「♪ゾフィーの死」公演日がすすむにつれ、花總さんシシィは周囲への怒りを強く感じるようになりました。古川さんトートは、シシィによって「生」を与えられてしまったように見えました。「死」なんだけれど。でも「ちちうえー」の叫び方が、少しあどけなくて、フランツ・ヨーゼフに家族としての気持があるんだなあ。ここで、叫んだのは成河さんが初めて?山崎さんルキーニは叫ばない。香寿さんに比べると「女性」を感じるゾフィー。フランツが皇帝の仕事をしている時は、フランツに対して厳しいが、プライベートになると甘くなっちゃう。バート・イシュルで息子の名前を呼ぶとき「フランツ💖」ってハートマークがついていますからね。エリザベートを観て10年以上たっているのに、今更ですが、トートダンサーってこんなに美しくて格好良かったの???と気づかされました。フランツを責めているのではなく、自分を許せなくて抱擁されるのを拒否したように思えましたが、その後に続く夜のボートのフランツを考えるとせつない。ただシシィに出合う前、フランツ自身も皇帝の義務の重さは負担に感じていて、ささやかな幸せもつかめないと諦めの境地にいた。シュヴァルツェンベルク伯爵の朝隈濯朗さん。「わーが国は ロシアに~」と毎回、美しい低音を響かせてくれていました。冒頭、マックスパパと家庭教師がいちゃいちゃしているシーンで、じーっとマックスパパの方を観ているのは、彼を責めているのか。軍服ドレス姿が、帝国を統治していく覚悟を決め姿のようで、すごくお似合いです。三浦さんルドルフで特に印象に残るのが、「♪ママは僕の鏡だから」で、シシィに「わからないわ」と拒絶されるシーン。そしてバートイシュルでシシィに出会い、自由を愛する屈託のないシシィをみて、シシィが幸せの扉を開けてくれるように思えたんじゃないかな…原慎一郎さんマックス公がほんと好き。歌が上手なのもあるけれど、シシィのことを心配して、婚礼の舞踏会で最後までシシィをみている姿が心に残りました。母親よりもシシィのことを気にかけていたから、コルフ島のシーンで登場したのかな。自分が好きになったことで、シシィが苦しむこともわかっていて、シシィの心の痛みが、フランツの痛みにもなっているようで、シシィとフランツくっついて!と何度願ったことか。その後、気を取り直そうとして、シシィに再び笑顔を向けて、訴え続ける三浦さんルドルフの姿、胸が痛かったなぁ。ようやく観られた京本さんルドルフ…でも7月末で抜けてしまった事もあり、回数が足りない!来年はニュージーズへの出演あるから、ルドルフとしての参加は今回で終わりなんだろうな…公演中にツイッター上にあがったこちらのインタビュー記事が良かったです。「♪愛と死の輪舞」でシシィを持ち上げてトートの近くへ運び降ろす一連の流れや、ルドルフを棺に運ぶ場面で、音がしないのがすごい。どれだけインナーマッスル使っているだろう。2020年恐らく続投されると思いますが、ここからのさらなる進化がとても楽しみです。私の印象だと、花總さんは「死」と隣り合わせで、いつ黄泉の世界へ行ってもおかしくないシシィ。でもトート(死)が目の前に現れるおかげで、抗って、生きようとする。闘って闘って、いっぱいいっぱいになり、この世に自分はもういるべきではない。最初の頃感じた、2016年からの変更で、トート登場シーンの光る羽根などへの違和感も慣れました。自分では判断を下せない初々しさが、「ゾフィーこそが宮廷でただ一人の男」と言われた事実を、浮き上がらせるような青年皇帝。最初から好きなフランツだったけれど、後半、ますます好きになった。シシィと幸せになってほしいフランツでした。花總さんにとっては、もしかしたらシシィを演じ続けるのは、しんどいことなのかもしれない…ゾフィーとの嫁姑の諍いの際、助けを求めるシシィを、階段の途中まで降りて身をかがめながら思わず抱きしめちゃった時もありました。そしてシシィに「愛している」と伝えるも「無理よ」といわれてしまう。本当は死にたいわけじゃない。でも、この世界に自分の居場所はない。。。結婚式の舞踏会シーンでも、マックス公とルドヴィカをじーっと観ているんですよね。。ルドルフ死後は、「死」を待ち焦がれ、トートへの愛が深まった時、「その時」が訪れる・・・キャスト、オーケストラ、スタッフの皆さんありがとうございました。ルドルフの心の変化をとても丁寧に演じていて、大好きなルドルフでした。老けた時の声や演技がとても自然で、おばあちゃんになった時のコミカルな演技も面白かったです。エリザベートの冒頭で、ルドルフが叫ぶ「ママは僕と似ている」と言うセリフ、なんかもう、夢のような皇太子で、あわあわしているうちに終わってしまったw買う事自体もダメだけれど、高いお金払っても、転売席だとわかると観劇できなくなりますしね。© 2020 きの茶 All rights reserved.トートが、シシィが生み出した鏡だとしたら、ずっと自分自身の中で闘ってきたんだよね…と泣きそうになってしまう。私は読んでいないですが、フレディの伝記本に「「孤独な道化」というタイトルがありますが、山崎さんのルキーニにも当てはまる言葉だと感じます。宮廷で感情を押し殺しているのに、トートの前では感情的になれる。むしろ強く生きられる。ここのシーン、華やかですが衣装の色味を抑えているので下品にならず、美しく思える大好きなシーンでした。「顔は洗ったの?」の言い方が、責めているというより、ヤレヤレ・・・といった表情で、シシィが姪だから余計、阻喪があってはならないと叔母目線で接しているみたい。花總さんのシシィが大好きだし、2020年でもまた会えたらほんとうにうれしいですが、これだけシシィとして生き切ってしまうと、何度も演じるのも大変なのかもしれないです。といっても、去年のボヘミアン・ラプソディ―でちょこっと興味をもったニワカですが😅平方さんフランツの「夜のボート」が大好きで、フランツ「愛しているよ」シシィ「無理よ」で、平方フランツ、うなづくんですよね。シシィの答えが既にわかっていたって。京本さん、三浦さんルドルフとは、ある意味対局になるのか、儚さのないルドルフ。シシィの気持ちに寄り添える皇帝なので、平方フランツなら違う未来があったかもしれないのに。最後のダンスは、ショーストップ気味に拍手が続くこともあったのに、さっとマントを翻して、自分自身の余韻を残さないんですよね。平方フランツはシシィの気持ちがわかっていながら、それでも気持ちを伝えずにはいられなかった。いきなり、井上さんと成河さんについて書いてしまいましたが、以下、感想です。そういえばルドルフ死後、シシィを抱きしめようとしたフランツを一度、払いのけた事がありました。そういえば、バートイシュルで紅茶を飲む、万里生さんフランツ、コップの飲み方、たたずまいが美しくて、ロイヤル感にあふれていました田代さんフランツがあまりに自然に老けていくので、当初、平方さんは老けた声を出すのが大変そうと思っていましたが、それも自然になってきて、後半は本当に見事でした。シシィの姉、ヘレネ役の彩花まりさん。親戚の集まりでフランツとのお見合いを発表されたとき、腕がぷるぷる震え、王家に嫁ぐプレッシャーと恐れ多さに押しつぶされているようにみえました。シシィと違って、事前にオーストリア皇后になる覚悟を持とうと頑張っていたんじゃないか….と思えます。ちょうどタイミングよく、ワイドショーで古田さんトートを観る機会があったらしく、美しい姿にますます想いが燃え上がったそうです(笑)ステージ上のフレディはとてつもなくパワフルで魅力的だけれど、彼の作る曲や彼のパフォーマンスを、周りがどう思おうと構わない、というか、達観して意図的に自分と周囲を切り離しているように感じます。存在感がありながら、登場人物の邪魔をするのではなく、なんとも絶妙で芝居のうまいルキーニでした。マデレーネ役の美麗さん。マダム・ヴォルフのコレクションに登場する女性アンサンブルさんたち、全員美しい身体をしているのですが、美麗さんのスレンダーさには、眼を奪われました。8頭身?9頭身。高級娼婦感がすごく出ています。何度か書いているけれど、2015年の時にみた井上トートは、自分の好みとは違うと思ったのに、もしかしたら、2019年の井上さんは、世界一好きなトートかもしれない。乾 直樹、五十嵐耕司、岡崎大樹、小南竜平、鈴木凌平、谷森雄次、楢木和也、渡辺謙典ハンガリー貴族エルマー役の植原卓也さん。年の取り方が上手で、最初は若々しいのに、ルドルフと独立運動を目指している時は初老の雰囲気が良く出ていました。ルドルフが警察に捕まり「ハプスブルク」と名乗らざるを得なかったとき、すまなそうな顔をしているんですよね。。。平方さんフランツは、皇帝の立場とシシィへの愛とのはざまで苦しむ姿が人間的で、とても好きなフランツでした。トートが冒頭の「♪私を燃やす愛」で「 ただひとつの過ちは 皇后への愛だ」というのが、しっくりきます。前方席でみると、舞台横の照明で少し明るくなっている箇所に、トートダンサーの影が映るので、これも悪魔の羽根のように見えて、ゾクゾクしました。シシィとゾフィーの間に争いが起こることを、予感出来ていたフランツだと思います。2016年公演で拝めなかった成河さんルキーニ。期待以上の芝居と歌でした。母親のシシィに期待しているのに、拒絶されて、すぐに納得しちゃう。舞台上にいるとつい目で追っちゃう。2019年公演の最初の頃の感想で、「狂気」「狂喜」などと書いていますが、今思うと、物語をクローズアップしてみせたり、または俯瞰してみせたりと、成河さんルキーニのしぐさ1つで、作品がガラリと違ってみえたことが、今までとは全く違ったことかなと思います。私は行ける日だけ応募しましたが、自分が行けるかどうか別にして、とりあえずチケットを抑えちゃおうという人も多いと思います。家族感が強くて、もし没落していくハプスブルク家にいなかったら、シシィとはたまの諍いはありつつも、楽しく暮らしていけたんではないか、と思えるゾフィーでした。何度か2019年の山崎さんのルキーニをみていくうちに、ふと思いだしたのがクイーンのフレディ・マーキュリーさん。公演日終盤では、新婚翌朝ゾフィーに責められ、フランツからは「母の言う事は君のためになる」と言われたとき、DVDでしかしらなかった成河さんルキーニ、思っていた以上に声に深みがあって、歌も超絶うまかった。7月ごろにみた公演だと、フランツへの甘えがとても可愛くて、感情豊かなシシィだなーなんて思っていたのに、演じ続けることで、花總さんの心もシシィ同様、硬くなになったのかもしれない(と私の勝手な妄想です)舞踏会のシーンでは、みんな美しいドレスに身をまとってますが、リヒテンシュタインのドレスは一段と格調が高いような?詳しくはわからないので、秋園美緒さんの雰囲気によるものかもしれませんが。宮廷でお仕えしている時の軍服ドレスもゾフィー様同様、美しいです。愛希さんシシィは、自分の好きなものが何か、よくわかっている強さを感じます。劇中ではバイエルンで育ったシシィを「田舎育ち」なんて評していますが、良い意味で野性味があり、都会のウィーンと合わないことがよくわかります。やはり最後の方の公演で、ルドルフ死後、泣きながら棺にすがるも、トートから「死」を拒絶され、「はははは…」と乾いた笑い声を出すようになり、錯乱してしまったかのよう。「え?」と、シシィが何を言っているかわからない、と驚いて、一瞬間が空きます。相手のことをよくみたお芝居をし、圧倒的な存在感がありながら、出過ぎずバランスの良いトートでした。ヴィンデッシュ嬢の真瀬はるかさん。「私はえりざべーーーと!」と叫ぶ精神病院でのシーン。毎回、素晴らしい美声を響かせてくれ、いつか真瀬はるかさんのシシィを見せて欲しいです。前回も書いたけれど、性質はフランツ・ヨーゼフに近いのに、シシィの自由主義思想を叩きこまれちゃっているから、父と対立してしまう。父と似た物同士がゆえに、お互いに歩み寄れない。結婚式翌日の朝、寝室にやってきたゾフィーがまだ寝ているシシィを責めるシーンがありますが、香寿さん、涼風さんはおっかなくて、シシィに逃げ場がありません。涼風さんゾフィーが朝5時に起こしてくるとわかったら、私なら正座して待っているw もちろん顔は洗って。早くチケットを売りたい公演側の都合もあるだろうけれど、チケット発売日に東宝のHPへ入ってもつながらず、つながった時は全席売り切れってどういうこと・・・「僕は君の味方だ」と言い、嬉しそうにうなずくシシィを慌ててなだめるように抱きしめるのも、その後、シシィにとって嬉しくないことを言わなくてはいけない、とよくわかっているから。威厳に満ちた皇太后で、「宮廷で唯一人の男」の納得感もすごかったし、同時にオーストリー帝国の「国母」にも見えました。フランツ・ヨーゼフに関連する本を読むと、シシィへの愛情はありながらも、繊細さや柔軟さに欠けていたフランツ・ヨーゼフ像と万里生さんフランツが重なります。声の深みと歌が相変わらず素晴らしく、大好き。7月末がラストで早抜けされてしまったのが残念ですが、また香寿さんのゾフィーに会いたいです。光あってこその闇なので、光が消えろといえば、すっと消えていく(体操室の場面とか)、黄泉の帝王というより、シシィあってのトートなんだなぁ…今年はなんとしてでも観るぞ!と心に決めていたので、各種先行抽選に申し込みまくり、成河さんルキーニに引き込まれながらすすむ物語ですが、ルドルフ死後、ルキーニに写真をとられて叫ぶシシィの真似をして「ぎゃーーー」と金切り声をあげるルキーニの残酷さに、その後に続くキッチュは、あぜんとしたままいつも座り呆けていました。このことに、彼が幼少の頃からどれだけ長く孤独に過ごしていたか想像できちゃうから。彼の中で理想のママは、現実にはいなくて、ずっと想像の世界にいた人なんだよね。ルドヴィカはヘレネでなくても、シシィが皇后になることに喜んでばかりだし、マックス公は結婚に反対とはいえ、結果的にシシィを嫁がせてしまった。そこから不幸が始まるというのに。闘い続けてきたシシィと黄泉の帝王が、重低音のこの曲に負けない重々しいデュエットも最高でした。
エリザベートが主役で軸がある. 「アルジェの男」に大興奮!良い作品でした。当面生観劇が出来そうになく宝塚への気持ちがやや下がっていたのですが、良い作品は配信でも十分に魅力的です。そして、ロミジュリが中止になってしまった礼真琴さんに、トートを演じていただきたくなりました。 ミュージカル『エリザベート』感想。帝国劇場にて2019年06月25日ソワレを観劇。主なキャストは、花總まり、古川雄大、平方元基、京本大我、植原卓也、原慎一郎、涼風真世、成河 ほか。 そして、次のトートの登場は宝塚版にはない場面。 史実として謎の死を遂げたエリザベートの親類達の絶命にトートが絡んでいたという描写。 そして、フランツとの冥界での激闘。 私はエリザベートという作品が大好きですが、演出で1番好きなのはウィーンオリジナルのハリー・クプファー氏のもの。 こんな時、新しく興味を持ってくれた人に、やっぱり見て欲しいじゃないですか。「一人にしてください」のセリフが、即出てきて、さらにフランツを突き放すような言い方になっていました。「舞台で繰り広げられるエリザベートは成河さんルキーニの物語」そんな風に感じる面白さ(さらに歌もうまい)に、まだまだ続投してもらいたいですが、成河さんがまた演じてくれるのかなぁ。それが心配です。井上トートの最後のダンスだけで、公演チケット分の元がとれて、おつりがくる。そうすると、その日じゃないと行けない人にチケットがますます行きにくくなり、本当に悪循環😱女官長のリヒテンシュタイン役の秋園美緒さん。国王一家の臣下で位の高い女官長の雰囲気が良く出ていて素敵~!嫁いできたシシィの側にいるけれど、お仕えしているのはゾフィー様!とばかりに、新婚翌朝の嫁姑戦争では、シシィの言動に顔をしかめてばかり。ゾフィーの言う事には大きくうなずくリヒテンシュタイン様でした。事情があるとはいえ、京本大我さんルドルフを映像に残さないのはもったいなさすぎる。。少女時代の屈託のない笑顔が、宮廷入り以降すっかり消えてしまい、以降は心を閉ざしてしまう。フランツにとって、シシィは自分を幸せにしてくれる女性で、だからずっと追い求め、最後の夜のボートにいきつく。あと、肌の色やプロポーションによるのか、精神病院の落ち着いたすみれ色のドレス姿が、とても美しいです。最初の頃は、顔が美しすぎて怖くみえたり、シシィの生き写しに見えたり、みている私が錯乱していたのですが、古川さんの美しい顔になれていくにつれ(?)シシィに命を吹き込まれ、「生・光(=シシィ)」を追い求める闇の存在に思えました。歌もパワフルで、「私だけに」「私が踊る時」のシシィの強さは、花總さんとは違った魅力がありました。転売屋の温床になっているチケットストリートなどにはあったそうですが、そこは買ってはダメと伝えました。。歌で殺されました・・・さっきも書きましたが、2019年の井上さんは世界一好きなトートかもしれないです。夜のボートの、悲しみを超えた境地にいる表情が、とても切なくて、辛い生涯を生きたエリザベートという女性を演じ切る壮絶さを感じました。公式(東宝)での購入、またはファンクラブ経由での購入が基本で(私はファンクラブ入っていないですが)、観たいときに当日券も買えちゃうのが理想。今回、前の方の席で観劇できた事が3回あり、冒頭の「我ら息絶えし者ども」で舞台前面で踊るトートダンサーの迫力といったら。田代さんは、実在のフランツ・ヨーゼフにとてもとても近い気がします。トートが思わず惹かれてしまった、自分と対局にある「生」の強さが、愛希さんにはある。本当なら死ななくて良かったはずなのに、ボタンの掛け違いで、黄泉の世界へ行ってしまった….花總さんシシィがトートを自ら呼び寄せていたとすれば、愛希さんシシィは、トートが自分にはない輝きを持つシシィにほれ込んで付きまとったという印象かな。父のフランツ・ヨーゼフに似た、一直線の真面目さと頑固さを感じます。舞台なんだけれど、映画のような映像作品にもみえるようになったというか。時間や金銭的な問題もありましたが、2016年の公演では、転売が増えて本当にチケットが買えなかった😅と、「♪あなたが側にいれば」でくるくる表情が変わる万里生フランツをみて思いました。シシィの不幸、ハプスブルク家の崩壊へとつながるシーンで、トートダンサーが出ているのをみると、なんともうまい演出だなと思います。自分がみたラストの公演では、拍手が鳴りやまず、自分も手のひらが痛くなるほど叩いてしまいました。エリザベートはとても好きな演目。でも過去の公演ではあまり多く劇場へ足を運べていませんでした。四方八方から、井上トートの波動に押しつぶされそうで、歌に圧倒される幸福をただただ噛みしめていました。マント捌き、確かにすごい恰好良かった。娘のゾフィーが亡くなるシーンで、シシィを黄泉のマントでくるんでしまうのも、トートが支配しようとしているのが伝わって、とても好きなシーンになりました。それにしても、シシィとフランツの婚礼でウェディングドレスをシシィに着せるのがトートダンサーで、オーストリア=ハンガリー帝国成立のシーンで、舞台前面に出ているのもトートダンサー。そんな2人をじーっとみる、成河さんルキーニの考えていることがとても気になりました。とても現実的なルドルフだから、本当ならトートが忍び寄る隙なんてなかったはずなのに、シシィに拒絶された絶望から、トートを呼んでしまう。トートに「死にたいのか」と言われ、銃に向かって手を伸ばすとき、泣いているんですよね。そして、シシィ絶頂期の「私が踊る時」で、トートダンサーたちが蹴散らされるように消えていくシーン。結局、ルドルフは死後もママを追い求めて言えるのかと思うと、辛い。私が観に行った公演では、調子を崩すことなく、常に素晴らしいクオリティでみせてくれ、ミュージカルに興味をもってくれた人全てに観てもらいたいです。「♪皇后の務め」「♪初めての諍い」でゾフィーから逃れ、フランツに縋りつくシシィを、「母の言う事は君のためになる」と、本心から悪気なく言っちゃっているし、18歳で皇帝となり、よくも悪くも考えも行動も宮廷生活がベースになっているので、シシィの訴えを理解できない。愛希さんシシィの大好きなシーンは、最後のダンス。運動神経がとても良いようで、トートに操られる動きが、すごく綺麗です。そういえば、シシィの最期、古川さんトートの眼がきらりと涙を浮かべたように光って見えたことがありました。その後、涙を流す姿をみた方がいるので、歴代で初めて泣くトート?2020年のエリザベートは全国(東京、大阪、名古屋、福岡)で計4ヶ月間ありますが、東京が1ヶ月だとすると、今年以上にチケット争奪戦になるかもしれない独立運動でルドルフが捕まり、フランツ・ヨーゼフに咎められるシーンでは、顔を上に向け目をギュッとつぶり、恍惚の表情を浮かべていました。う・・・美しい。山崎さんのルキーニは、エリザベートの生涯と観客をつなぐ橋渡しをしているようで、観客が舞台のことをどう思うと構わない、と突き放したような印象でした。今回、先行に手を出しまくった私が言えることじゃないかもしれませんが。覚えているのは、ルドルフの純粋で美しい魂を体現しているような皇太子。死に魅了されてしまう儚さと、それに抗う葛藤する姿。田代さんフランツがここで眼を見開き驚いてしまう表情をみると、どんなに想いがあっても、万里生フランツがシシィの本心がわかることはなく、やはり別々のゴールしか結末にない、と思えました。うぅでも観劇できないのが一番困るから、私含めてお客さんは先行に手を出し始めちゃう。そして衣装といえば、宮廷での舞踏会シーンで、豪華ながら抑えた色味の衣装をまとうウィーン宮廷の女性たちと、バイエルンの自然を思わせる、淡い色合いに身を包む、シシィ一家の衣装の対比も素晴らしかったです。私のチケットを1枚譲っても良かったのかもしれないけれど、そこは譲れなかった🥺強すぎる光の前では、消えざる得ないのか、トートダンサーさんお一人お一人の動きが、「人」ではなく、完全に「影」だけのように感じ、とても印象に残りました。体操室のシーンで、ベンチにジャンプしながら飛び乗るのが格好良かった。花總さんシシィが、トート(死)が現れることで、抗い生き続けたように、古川さんの「♪愛と死の輪舞」がとても好きで、シシィへの止められない感情にあふれているようでした。もっと前の「♪皇帝の義務」では、ゾフィーの教えを疑いもなく守る良き息子で、だからこそ当初、シシィも義務は守るべきという考えが根底にあった気がします。ゾフィーが3名も??と今回驚いたのですが、3名観劇できて良かったよー。このシーンは、とりわけ万里生フランツにとって人生の絶頂時に見える。この中で、歌が凄いといわれるのは、エコー(音響)のおかげと言っていますが・・・謙遜だと知っていますよ。閣下。花總さんシシィが迎える最期が、トートへの愛が伝わるものでした。公演が進むにつれ、フランツの人間らしい感情がより出てきたように感じます。活き活きと嬉しそうに物語をみせているのに、獄中のシーンになると途端におどおどし、シシィを刺したあとは、軍隊歩き?というのか、胸を極端にはり、腕を勢いよく振ってあるく。実在したルキーニの逮捕時の写真を参考にしたのか。「♪皇帝の義務」で、大人しくゾフィーの教えを請い、わからない事は、グリュネン伯爵を頼る。「肉親」を感じるゾフィーで、フランツの母、シシィの叔母、ルドヴィカの姉、というのが舞台上から伝わってきました。公演を重ねるにつれて、大きく変って行ったルドルだと思います。初期の頃は、帝国の将来を憂う熱血の青年と、ママを請う幼いままのルドルフを内面に抱えている印象でしたが、徐々に、孤独感が増していったように思えました。真面目な人ほど騙されやすいとも言うけれど、トートからみた木村さんルドルフは、手玉にとりやすい相手だった。とても感情的な人なのに、政治を行う為に冷たい仮面をつけていた涼風ゾフィー。フランツに「もうあなたの言う事は聞かない」と言われ、ショックをうけ、涙を流しつつも自分が行ってきた事に間違いはないと、誇りをもって最期を迎える「♪ゾフィーの死」公演日がすすむにつれ、花總さんシシィは周囲への怒りを強く感じるようになりました。古川さんトートは、シシィによって「生」を与えられてしまったように見えました。「死」なんだけれど。でも「ちちうえー」の叫び方が、少しあどけなくて、フランツ・ヨーゼフに家族としての気持があるんだなあ。ここで、叫んだのは成河さんが初めて?山崎さんルキーニは叫ばない。香寿さんに比べると「女性」を感じるゾフィー。フランツが皇帝の仕事をしている時は、フランツに対して厳しいが、プライベートになると甘くなっちゃう。バート・イシュルで息子の名前を呼ぶとき「フランツ💖」ってハートマークがついていますからね。エリザベートを観て10年以上たっているのに、今更ですが、トートダンサーってこんなに美しくて格好良かったの???と気づかされました。フランツを責めているのではなく、自分を許せなくて抱擁されるのを拒否したように思えましたが、その後に続く夜のボートのフランツを考えるとせつない。ただシシィに出合う前、フランツ自身も皇帝の義務の重さは負担に感じていて、ささやかな幸せもつかめないと諦めの境地にいた。シュヴァルツェンベルク伯爵の朝隈濯朗さん。「わーが国は ロシアに~」と毎回、美しい低音を響かせてくれていました。冒頭、マックスパパと家庭教師がいちゃいちゃしているシーンで、じーっとマックスパパの方を観ているのは、彼を責めているのか。軍服ドレス姿が、帝国を統治していく覚悟を決め姿のようで、すごくお似合いです。三浦さんルドルフで特に印象に残るのが、「♪ママは僕の鏡だから」で、シシィに「わからないわ」と拒絶されるシーン。そしてバートイシュルでシシィに出会い、自由を愛する屈託のないシシィをみて、シシィが幸せの扉を開けてくれるように思えたんじゃないかな…原慎一郎さんマックス公がほんと好き。歌が上手なのもあるけれど、シシィのことを心配して、婚礼の舞踏会で最後までシシィをみている姿が心に残りました。母親よりもシシィのことを気にかけていたから、コルフ島のシーンで登場したのかな。自分が好きになったことで、シシィが苦しむこともわかっていて、シシィの心の痛みが、フランツの痛みにもなっているようで、シシィとフランツくっついて!と何度願ったことか。その後、気を取り直そうとして、シシィに再び笑顔を向けて、訴え続ける三浦さんルドルフの姿、胸が痛かったなぁ。ようやく観られた京本さんルドルフ…でも7月末で抜けてしまった事もあり、回数が足りない!来年はニュージーズへの出演あるから、ルドルフとしての参加は今回で終わりなんだろうな…公演中にツイッター上にあがったこちらのインタビュー記事が良かったです。「♪愛と死の輪舞」でシシィを持ち上げてトートの近くへ運び降ろす一連の流れや、ルドルフを棺に運ぶ場面で、音がしないのがすごい。どれだけインナーマッスル使っているだろう。2020年恐らく続投されると思いますが、ここからのさらなる進化がとても楽しみです。私の印象だと、花總さんは「死」と隣り合わせで、いつ黄泉の世界へ行ってもおかしくないシシィ。でもトート(死)が目の前に現れるおかげで、抗って、生きようとする。闘って闘って、いっぱいいっぱいになり、この世に自分はもういるべきではない。最初の頃感じた、2016年からの変更で、トート登場シーンの光る羽根などへの違和感も慣れました。自分では判断を下せない初々しさが、「ゾフィーこそが宮廷でただ一人の男」と言われた事実を、浮き上がらせるような青年皇帝。最初から好きなフランツだったけれど、後半、ますます好きになった。シシィと幸せになってほしいフランツでした。花總さんにとっては、もしかしたらシシィを演じ続けるのは、しんどいことなのかもしれない…ゾフィーとの嫁姑の諍いの際、助けを求めるシシィを、階段の途中まで降りて身をかがめながら思わず抱きしめちゃった時もありました。そしてシシィに「愛している」と伝えるも「無理よ」といわれてしまう。本当は死にたいわけじゃない。でも、この世界に自分の居場所はない。。。結婚式の舞踏会シーンでも、マックス公とルドヴィカをじーっと観ているんですよね。。ルドルフ死後は、「死」を待ち焦がれ、トートへの愛が深まった時、「その時」が訪れる・・・キャスト、オーケストラ、スタッフの皆さんありがとうございました。ルドルフの心の変化をとても丁寧に演じていて、大好きなルドルフでした。老けた時の声や演技がとても自然で、おばあちゃんになった時のコミカルな演技も面白かったです。エリザベートの冒頭で、ルドルフが叫ぶ「ママは僕と似ている」と言うセリフ、なんかもう、夢のような皇太子で、あわあわしているうちに終わってしまったw買う事自体もダメだけれど、高いお金払っても、転売席だとわかると観劇できなくなりますしね。© 2020 きの茶 All rights reserved.トートが、シシィが生み出した鏡だとしたら、ずっと自分自身の中で闘ってきたんだよね…と泣きそうになってしまう。私は読んでいないですが、フレディの伝記本に「「孤独な道化」というタイトルがありますが、山崎さんのルキーニにも当てはまる言葉だと感じます。宮廷で感情を押し殺しているのに、トートの前では感情的になれる。むしろ強く生きられる。ここのシーン、華やかですが衣装の色味を抑えているので下品にならず、美しく思える大好きなシーンでした。「顔は洗ったの?」の言い方が、責めているというより、ヤレヤレ・・・といった表情で、シシィが姪だから余計、阻喪があってはならないと叔母目線で接しているみたい。花總さんのシシィが大好きだし、2020年でもまた会えたらほんとうにうれしいですが、これだけシシィとして生き切ってしまうと、何度も演じるのも大変なのかもしれないです。といっても、去年のボヘミアン・ラプソディ―でちょこっと興味をもったニワカですが😅平方さんフランツの「夜のボート」が大好きで、フランツ「愛しているよ」シシィ「無理よ」で、平方フランツ、うなづくんですよね。シシィの答えが既にわかっていたって。京本さん、三浦さんルドルフとは、ある意味対局になるのか、儚さのないルドルフ。シシィの気持ちに寄り添える皇帝なので、平方フランツなら違う未来があったかもしれないのに。最後のダンスは、ショーストップ気味に拍手が続くこともあったのに、さっとマントを翻して、自分自身の余韻を残さないんですよね。平方フランツはシシィの気持ちがわかっていながら、それでも気持ちを伝えずにはいられなかった。いきなり、井上さんと成河さんについて書いてしまいましたが、以下、感想です。そういえばルドルフ死後、シシィを抱きしめようとしたフランツを一度、払いのけた事がありました。そういえば、バートイシュルで紅茶を飲む、万里生さんフランツ、コップの飲み方、たたずまいが美しくて、ロイヤル感にあふれていました田代さんフランツがあまりに自然に老けていくので、当初、平方さんは老けた声を出すのが大変そうと思っていましたが、それも自然になってきて、後半は本当に見事でした。シシィの姉、ヘレネ役の彩花まりさん。親戚の集まりでフランツとのお見合いを発表されたとき、腕がぷるぷる震え、王家に嫁ぐプレッシャーと恐れ多さに押しつぶされているようにみえました。シシィと違って、事前にオーストリア皇后になる覚悟を持とうと頑張っていたんじゃないか….と思えます。ちょうどタイミングよく、ワイドショーで古田さんトートを観る機会があったらしく、美しい姿にますます想いが燃え上がったそうです(笑)ステージ上のフレディはとてつもなくパワフルで魅力的だけれど、彼の作る曲や彼のパフォーマンスを、周りがどう思おうと構わない、というか、達観して意図的に自分と周囲を切り離しているように感じます。存在感がありながら、登場人物の邪魔をするのではなく、なんとも絶妙で芝居のうまいルキーニでした。マデレーネ役の美麗さん。マダム・ヴォルフのコレクションに登場する女性アンサンブルさんたち、全員美しい身体をしているのですが、美麗さんのスレンダーさには、眼を奪われました。8頭身?9頭身。高級娼婦感がすごく出ています。何度か書いているけれど、2015年の時にみた井上トートは、自分の好みとは違うと思ったのに、もしかしたら、2019年の井上さんは、世界一好きなトートかもしれない。乾 直樹、五十嵐耕司、岡崎大樹、小南竜平、鈴木凌平、谷森雄次、楢木和也、渡辺謙典ハンガリー貴族エルマー役の植原卓也さん。年の取り方が上手で、最初は若々しいのに、ルドルフと独立運動を目指している時は初老の雰囲気が良く出ていました。ルドルフが警察に捕まり「ハプスブルク」と名乗らざるを得なかったとき、すまなそうな顔をしているんですよね。。。平方さんフランツは、皇帝の立場とシシィへの愛とのはざまで苦しむ姿が人間的で、とても好きなフランツでした。トートが冒頭の「♪私を燃やす愛」で「 ただひとつの過ちは 皇后への愛だ」というのが、しっくりきます。前方席でみると、舞台横の照明で少し明るくなっている箇所に、トートダンサーの影が映るので、これも悪魔の羽根のように見えて、ゾクゾクしました。シシィとゾフィーの間に争いが起こることを、予感出来ていたフランツだと思います。2016年公演で拝めなかった成河さんルキーニ。期待以上の芝居と歌でした。母親のシシィに期待しているのに、拒絶されて、すぐに納得しちゃう。舞台上にいるとつい目で追っちゃう。2019年公演の最初の頃の感想で、「狂気」「狂喜」などと書いていますが、今思うと、物語をクローズアップしてみせたり、または俯瞰してみせたりと、成河さんルキーニのしぐさ1つで、作品がガラリと違ってみえたことが、今までとは全く違ったことかなと思います。私は行ける日だけ応募しましたが、自分が行けるかどうか別にして、とりあえずチケットを抑えちゃおうという人も多いと思います。家族感が強くて、もし没落していくハプスブルク家にいなかったら、シシィとはたまの諍いはありつつも、楽しく暮らしていけたんではないか、と思えるゾフィーでした。何度か2019年の山崎さんのルキーニをみていくうちに、ふと思いだしたのがクイーンのフレディ・マーキュリーさん。公演日終盤では、新婚翌朝ゾフィーに責められ、フランツからは「母の言う事は君のためになる」と言われたとき、DVDでしかしらなかった成河さんルキーニ、思っていた以上に声に深みがあって、歌も超絶うまかった。7月ごろにみた公演だと、フランツへの甘えがとても可愛くて、感情豊かなシシィだなーなんて思っていたのに、演じ続けることで、花總さんの心もシシィ同様、硬くなになったのかもしれない(と私の勝手な妄想です)舞踏会のシーンでは、みんな美しいドレスに身をまとってますが、リヒテンシュタインのドレスは一段と格調が高いような?詳しくはわからないので、秋園美緒さんの雰囲気によるものかもしれませんが。宮廷でお仕えしている時の軍服ドレスもゾフィー様同様、美しいです。愛希さんシシィは、自分の好きなものが何か、よくわかっている強さを感じます。劇中ではバイエルンで育ったシシィを「田舎育ち」なんて評していますが、良い意味で野性味があり、都会のウィーンと合わないことがよくわかります。やはり最後の方の公演で、ルドルフ死後、泣きながら棺にすがるも、トートから「死」を拒絶され、「はははは…」と乾いた笑い声を出すようになり、錯乱してしまったかのよう。「え?」と、シシィが何を言っているかわからない、と驚いて、一瞬間が空きます。相手のことをよくみたお芝居をし、圧倒的な存在感がありながら、出過ぎずバランスの良いトートでした。ヴィンデッシュ嬢の真瀬はるかさん。「私はえりざべーーーと!」と叫ぶ精神病院でのシーン。毎回、素晴らしい美声を響かせてくれ、いつか真瀬はるかさんのシシィを見せて欲しいです。前回も書いたけれど、性質はフランツ・ヨーゼフに近いのに、シシィの自由主義思想を叩きこまれちゃっているから、父と対立してしまう。父と似た物同士がゆえに、お互いに歩み寄れない。結婚式翌日の朝、寝室にやってきたゾフィーがまだ寝ているシシィを責めるシーンがありますが、香寿さん、涼風さんはおっかなくて、シシィに逃げ場がありません。涼風さんゾフィーが朝5時に起こしてくるとわかったら、私なら正座して待っているw もちろん顔は洗って。早くチケットを売りたい公演側の都合もあるだろうけれど、チケット発売日に東宝のHPへ入ってもつながらず、つながった時は全席売り切れってどういうこと・・・「僕は君の味方だ」と言い、嬉しそうにうなずくシシィを慌ててなだめるように抱きしめるのも、その後、シシィにとって嬉しくないことを言わなくてはいけない、とよくわかっているから。威厳に満ちた皇太后で、「宮廷で唯一人の男」の納得感もすごかったし、同時にオーストリー帝国の「国母」にも見えました。フランツ・ヨーゼフに関連する本を読むと、シシィへの愛情はありながらも、繊細さや柔軟さに欠けていたフランツ・ヨーゼフ像と万里生さんフランツが重なります。声の深みと歌が相変わらず素晴らしく、大好き。7月末がラストで早抜けされてしまったのが残念ですが、また香寿さんのゾフィーに会いたいです。光あってこその闇なので、光が消えろといえば、すっと消えていく(体操室の場面とか)、黄泉の帝王というより、シシィあってのトートなんだなぁ…今年はなんとしてでも観るぞ!と心に決めていたので、各種先行抽選に申し込みまくり、成河さんルキーニに引き込まれながらすすむ物語ですが、ルドルフ死後、ルキーニに写真をとられて叫ぶシシィの真似をして「ぎゃーーー」と金切り声をあげるルキーニの残酷さに、その後に続くキッチュは、あぜんとしたままいつも座り呆けていました。このことに、彼が幼少の頃からどれだけ長く孤独に過ごしていたか想像できちゃうから。彼の中で理想のママは、現実にはいなくて、ずっと想像の世界にいた人なんだよね。ルドヴィカはヘレネでなくても、シシィが皇后になることに喜んでばかりだし、マックス公は結婚に反対とはいえ、結果的にシシィを嫁がせてしまった。そこから不幸が始まるというのに。闘い続けてきたシシィと黄泉の帝王が、重低音のこの曲に負けない重々しいデュエットも最高でした。