マープルが活躍するストーリーに、復讐の女神あります(^-^;好きなお話の一つです。ところが韓国ドラマ版復讐の女神はアガサ・クリスティ原案ということもあって大胆な脚色を加えられています。原作タイトル復讐の女神のス アガサ・クリスティ作品をドラマ化。殺人のぬれぎぬを着せられた女性が真犯人を追いながら、さまざまな事件を解決する。キム・ユンジンの韓国ドラマ復帰作を放送。 推理小説の女王アガサ・クリスティの作品「ミス・マープル」のストーリーをドラマ化。 冒頭「我が終わりのときに始めあり」スコットランド女王メアリ・スチュアートの有名なことば(ことわざ)で始まります。「終わりなき夜に生まれつく」はアガサ・クリスティ自選10のうちのひとつ。アガサ・クリスティが愛した1967年の作品です。ポワロとミス・マープルは出てきません。ねじれた家 CROOKED HOUSE アガサ・クリスティ 田村隆一 訳男性を少女のヴィジョンで魅了させるアンチエイジングの美魔女でもあります。そう観える人限定ですけど。ミス・マープルはふだん、おいのレイモンドのおかげで少しぜいたくができる程度の質素な生活をしています。しかしムカシオトナ女子の野望は健在です。大戦中に執筆され1975年に出版された名探偵エルキュール・ポワロの最後の事件。クリスティがベストの時期に描かれたポワロです。非常に深い内容で恐ろしい事件を扱っています。ポワロが相手にする相手はまさにモンスター。善のメンタリスト対悪のメンタリストの死闘が見事です。1956年出版。アガサ・クリスティがメアリ・ウェストマコット名義で出した6作品の最後の小説です。カテゴリーはハーレクイン?叙情小説?いえいえ。この世を俯瞰した賢者の仮想空間でのシミュレーション小説です。「春にして君を離れ」と同じ覚醒者向け小説です。つまり万人向け恋愛小説です。依頼を受けた不純な動機の一部もシャコを一羽丸ごと、マロングラッセを一箱ごと食べたいだの、観劇するのにタクシーを使いたいだのというムカシオトナ女子のささやかな願望に過ぎません。ちなみにシャコとはエビではなくキジとウズラのあいだの大きさの鳥らしいです。残念ながら私は食したことがありません。紅茶の輸入自由化がわが国では始まったそうです。若い女性には楽しみが増えたでしょう。an・an、non-noが創刊された頃です。商社の駐在員か新聞社の特派員くらいしかアフタヌーンティセットを実際に食べた人は少なかったのではないでしょうか。いやいや、日本人は侮れないですからね。特に女性は。片田舎セント・メアリ・ミードを愛しそこから世界を推理するミス・マープル。シンプルでクレバーなライフスタイルの持ち主です。映画のキャラのようにぼくの本当の彼女は過去に生まれていたか未来に生まれるかで現在はいないのではないかとか妄想していました。あっちはIQが天才ですが。これ、クリスティには全然関係ありません。スコットランド西部沿岸出身の彼女の家族には「未来の見える人間」がいたのだというくだり。クリスティの80歳誕生日記念作品です。1970年にこの世界に対して感じた印象を結実させた作品とも言えます。まえがきに書かれたとおりの内容です。パイカウェィ大佐とロビンスン氏が登場します。どんな時代でも真の教養を身につけた人物は影響は受けないのがわかります。二万ポンドの報奨金はすべていにしえのオトナ女子の野望に使われるのです。ロマンチックで現実的ですよね。まさに「クリスマスにはクリスティを」そのものの本です。1965年出版。当然聖書からの引用は多数、天使から聖人、ロバが列した天国のような本です。寓話的な内容から、あの超越した小説「春にして君を離れを」思わせる「水上バス」など非常に密度が濃いです。しかも全然難しくありません。薄いのでプレゼントにも最適です。とくに自分への。真のヴィクトリア朝の教養を身につけた超一流の男女の出会いとはどういうものかわたしたちは垣間見ることができるでしょう。「チムニーズ館の秘密」の事件から四年後1929年です。ふたたびチムニーズ館に事件が発生します。今回のヒロインは危険人物アイリーン・ブレント、バンドル嬢です。まわりの男たちを軽々と手玉に取りアタマを抱える父親を尻目にドンドン進みます。それはロンドン警視庁のバトルの予想を上回りました。この描写がミス・マープルという女性の魅力をFX取引のレバレッジのように効かせています。うーむ、比喩としてどうか。前作のラストにミス・マープルは「わたしは復讐の女神<ネメシス>」と名のります。そこから彼女は外見とは裏腹の畏怖すべき存在になっていきます。ミス・マープルは若い頃どこで食べたのでしょうか。そんなにお高くないのではと思うのですが。主演トレーシー・ハイドが俳優やめて事務員になっていたのを映画雑誌「スクリーン」で知り、ハイスクールの学食で100円のラーメンの箸を落としそうになりました。これはダイアン・レインの「リトル・ロマンス」を観てこころを立て直しましたが。失礼ながら最後の作品からの紹介になります。今風にいうなら最強のBB、a、いえオトナ女子ミス・マープル登場です。古き良き時代の英国婦人の代表といえるでしょう。ブレがありません。深い森に住む魔法使いのようです。ミステリ戯曲としてあまりにも有名です。1952年以来のロングラン公演。出版は1954年です。雪で閉ざされた山荘が舞台。それだけですでにミステリっぽい上にアガサ・クリスティ作です。奥行のある構成で引き込まれてしまうでしょう。ただの物語ではありません。世相を現しています。1971年ノルウエーが北海油田を採掘開始です。英国はピリピリしてたでしょう。なんでどこの国でも微妙な海域で資源が発見されるのでしょうか。1963年冷戦真っ只中の作品です。ミステリとエスピオナージュの一粒で二度おいしい内容です。クリスティは73歳くらいのはずですが、作品は若々しく驚嘆するばかりです。混乱気味の若手の聞き込みからポワロは対比するようにストレートに謎を解きます。おそるべし、クリスティ。アガサ・クリスティの代表作「オリエント急行の殺人」1934年の作品です。有名なリンドバーグ事件がモデルです。当時世界の注目を集めた事件でした。そのリンドバーグ事件をオリエント急行という舞台でミステリにする手腕はさすがです。アガサ・クリスティ自選10のひとつです。当時の英国では普通の教養なのでしょうね。今回のキーワードは「守護天使」そして「ネメシス」です。スエズから撤退したのでバーレーンが独立します。古き英国は斜陽化する一方ですね。映画では「小さな恋のメロディー」ですね。ビージーズの切ない歌が心に響きます。もちろん現在おっさんのこころにも。ビージーズももう生き残りが少ないです。なにがトキメくかというと、全面解決したミス・マープルの姿を見つめていた弁護士シュスター氏がかつて若かりし頃、日曜学校で見た少女のヴィジョンにだぶらせるシーンです。火曜クラブ。ミス・マープルと13の謎です。ミス・マープルは登場するなり非凡な冴えを発揮。場の雰囲気を一瞬で書き換えてしまう推理力は初っ端からフル稼働です。全世界をセント・メアリ・ミードの出来事に置き換え、編み物しながら解決する事件は前警視総監のクリザリング卿をもってして容易ならざるものばかり。ミス・マープルが一番の謎です。1932年。ミス・マープルの知性、洞察力、冒険心がいかんなく描かれたアガサ・クリスティの傑作です。シュスター氏は遠い昔、日曜学校でみた若くて幸せでおもしろ楽しくしていた少女の姿をミス・マープルに重ねるのです。シュスター氏もまた本質を「観る人」だったのでしょう。でもまだ1ドル360円です。外貨の持ち出し制限もあり、当時悪名高いノーキョーの方々か団塊の世代のバックパッカーがようやく世界に拡散させていきました。良くも悪くもジャパンのイメージを。そしてアガサ・クリスティ最晩年、ミス・マープルの英国田園での究極ミステリが始まるのです。1953年。戦後8年です。イギリスの「ゆりかごから墓場まで」の現実がひしひしと伝わってくるミステリです。税制が変わり戦前とは比べものにならない税金で生活が一変したひとびとの悲劇です。イギリス社会は過渡期です。適応しなくてはいけません。命の値段が下落しています。1942年、「鏡は横にひび割れて」事件が起こる20年前のゴシントン・ホール出の事件です。セント・メアリ・ミードを比べて読むと面白いかも知れません。ミス・マープルも住人もまだ若いです。「牧師館の殺人」事件のグリセルダも登場します。クリスティ全盛期のミステリです。衰えを知らない頭脳の冴えを今回も存分に発揮します。彼女の推理と行動は昔風にいうなら「居並ぶ偉丈夫の顔色なからしめ」ます。ま、いつもですが。1925年、前年「茶色の服の男」で南アフリカの冒険譚を描いたクリスティは今度は南アフリカからイギリス本土へ男を向かわせます。舞台は外国来賓を迎える侯爵所有のチムニーズ館。ロンドン警視庁きっての慧眼の警視バトルのデビュー作です。彼は四年後のチムニーズ館「七つの時計殺人事件」でも登場します。バゲットとかバタールとか言わず当時は普通、フランスパンと呼んでいましたね、私のまわりでは。しかも20代の女性たちでも。これが当時のわが国です。それなりにパワーがありました。いまの中国のようです。エコノミックアニマル全盛です。ハンカチ一枚売るのにサハラ砂漠に赴き、しょうゆを普及させるのにバーベキューしている家族連れの間を回っていたそうです。昭和一桁は偉かったか。ご笑覧あれ。(テンサゲ注意!)まさに文字通りです。アガサ・クリスティの作品ではやはりシェイクスピア、聖書の引用、エピ...バスや列車が定刻どおりに運行しない、毎日どこかでストライキがおこなわれているなど1980年くらいまで英国病として有名でした。でも英国人は慣れたものだったようです。ゼロ時間へ TOWARDS ZERO アガサ・クリスティ 田村隆一 訳ラフィール氏がミス・マープルに依頼した文書の最後に引用されています。 濡れ衣を着せられ苦しむ人のために同情から始まり、犯罪者のための強力な憎しみ、そして他の追従を許さない。絶妙で鋭い推理力を持つ「ミス・マ」(Ms Ma)。推理文学史上最も優れた女性探偵ミス・マープルがミス・マに変身して、事件が起きる度に驚くべき能力を発揮する。各種犯罪が横行する現代、鋭い推理のみで犯罪者を屈服させる彼女の活躍は、視聴者にとって以前に感じられなかった痛快を感じるだろう。