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しかし、実際には労働条件通知書と同時に労働契約書を作成する場合がほとんどです。それは、「署名、捺印」の有無に理由があります。労働契約書には、会社と従業員それぞれの署名あるいは捺印があることが一般的です。署名、捺印は契約について双方が納得、合意したことを示し、何かトラブルが起きてしまったときに「そんなことは聞いていない」という事態になることを防いでくれます。一方、労働条件通知書は会社側が一方的に提示するものであり、書面上だけでは従業員の同意については判断が難しいものです。そのため、多くの場合では万が一のリスクを考え、署名、捺印の入った労働契約書と一緒に発行しているのです。「退職、解雇に関すること」「経費に関すること」「緊急時の連絡先」も忘れてはいけません。これらの情報を盛り込んで初めて、労働条件通知書としての体裁が整います。もし、書き方について不安がある場合にはひな形を探してみるのもひとつの手段です。ネット上でダウンロードできるひな形もありますので、探してみましょう。就業規則は、常時10人以上の労働者がいる事業所は作成の義務がありますが、そうでない場合にはその義務はありません。そのため、上記で挙げたようなルールの明文化は必要ないといえますが、従業員が10人未満であっても、従業員のことを考えるなら就業規則を作成し労使協定を結ぶなどの手続きをするのが望ましいといえます。在宅勤務の場合、原則交通費の支給はありません。通勤がないため当然ですが、業務に必要な費用は会社側が負担しなければなりません。例えば通信費や文具購入代、あるいは光熱費といった費用です。他にも業務を進める上で欠かせないものであれば、会社側に負担の義務があります。しかし、光熱費など、どこまで業務に必要な範囲なのかわかりづらい部分があるものもあります。そういったものは事前に従業員とすり合わせを行い、お互いに納得できるように条件を整え、労働条件通知書として書面化しましょう。これは労働基準監督署が義務付けていることでもあります。このように労働条件通知書や就業規則の変更など、在宅勤務の導入にあたっては必要な手続きがあります。これらをやらずに従業員に在宅勤務をさせてしまった場合、労働基準法違反にあたる恐れもありますので注意しましょう。もし、何をしたらいいのかわからない場合には専門機関などに指示を仰ぐべきです。例えば、労働基準監督署に聞いてみましょう。また、厚生労働省が委託しているテレワーク相談センターもあります。フリーダイヤルで相談できたり、メールでいつでも問い合わせできたりしますので、気軽に話を聞きやすいのではないでしょうか。もちろん、対面での相談も可能です。会社に顧問弁護士や社会保険労務士がついている場合には、その人たちに作成してもらうこともできます。従業員と話して決めた内容を共有し、それに沿った書面を作ってもらいましょう。いずれにせよ、自分ひとりでは判断が難しいと思うものについては、専門家や専門機関のアドバイスをもらうのがベターです。「在宅勤務」は、「テレワーク」という働き方のうちのひとつに位置付けられます。テレワークとは「tele(遠い、離れた)」と「work(働く)」を掛け合わせた造語で、IT技術の発達により新たに生まれた労働形態です。労働時間のすべて、あるいはその一部について、勤務先のオフィスではない場所で働くことをいい、大きく分けて「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス」の3つがあります。モバイルワークとは、ノートパソコンやスマートフォンといったモバイル端末を使い、外出先でも業務を進められるようにする働き方のことです。モバイルワークについては、すでに導入している会社も少なくないでしょう。在宅にせよオフィス勤務にせよ、まずは労働契約期間を明確に定める必要があります。この契約期間は正当な理由がない限り会社側から一方的に変更することはできません。また、就業場所や業務内容、始業時間と終業時間についても明記します。この場合、就業場所は当然ながら従業員の自宅住所です。併せて、休日と休憩時間についても書いておきます。賃金については、その計算方法や締め日、支払い方法、支払日を書いておかなければなりません。変更する内容としては、まずは在宅勤務を命じることについて規定しなければなりません。また、フレックスタイム制の採用など在宅勤務導入にあたり在宅勤務用の労働時間を設定する場合にはその旨も記載します。通信費や経費についても併せて載せておきましょう。就業規則を変更したときには、所轄の労働基準監督署に届け出ることが必須です。加えて変更した内容について従業員に周知徹底を図り、従業員が自分にとって働きやすい方法を選べるようにすることも求められます。在宅勤務を導入するにあたっては、就業規則の中に在宅勤務に関する規定を盛り込んでおくことが必要です。そのため、就業規則の変更も求められます。通常のオフィスでの勤務と何も変わらないのであれば就業規則を変える必要はありませんが、実際には経費や通信費の支払いについてなど、在宅勤務のみに適用されるルールがあることがほとんどです。それゆえ在宅勤務用の就業規則が必要なのです。就業規則を変えるときには、就業規則そのものを変更する場合と、在宅勤務規定を別に作る場合とがあります。在宅勤務の導入は、従業員に新たな働き方を提案してくれるものです。働く意欲はあっても、子育てや介護など何らかの事情で家を離れられない人も中にはいます。そういった人たちにも働くチャンスを与えることができるので、さまざまな雇用を生み出すチャンスになるでしょう。人材不足に悩む企業にとっては、有効な解決策のひとつになるはずです。始めるにあたっては、まず就業規則に在宅勤務に関する規定を盛り込まなければなりません。それに応じて労働条件通知書も作成します。その内容については、企業側が一方的に決めるのではなく、従業員とよく話しながら決める必要があります。誤解やすれ違いがないように、事前に細かな部分まで決めておきましょう。労働条件通知書と混同されがちなものに、労働契約書があります。これは雇用主と従業員との間で交わされる契約書です。一般的には、2部作成して雇用主と従業員のそれぞれで保管しておきます。実は、労働契約書の発行は法律に定められているものではありません。日本の民法においては「意志主義」を基本としているため、雇用について雇用主と従業員が合意しているのであれば、口約束であっても契約は正式に成り立ちます。もし、契約について書面を発行しなかったからといって罪に問われることはないのです。他には退職や解雇に関する項目も必要です。退職にはどのような手続きが必要なのか、どんなことをしたら解雇事由にあたるのかなど、明確にしておきましょう。在宅勤務の場合は経費についてもはっきりさせておくべきです。経費で支払えるものとそうでないもの、支払い方法、光熱費などを経費で支払う場合の割合などを決めておきます。また、万が一従業員と連絡がつかなくなったときのことを考え、緊急時の連絡方法についても共有しておきましょう。サテライトオフィスとは、勤務先ではない別のオフィスでパソコンなどの通信機器を使って働く方法をいいます。ひとつの会社がスペースを占有する方法だけでなく、複数の会社と共同でスペースを借りることも可能です。都心部の企業は地方に、地方企業は都心部にサテライトオフィスを置くことで、さまざまな人を雇用することができるようになるでしょう。そして、在宅勤務は自宅でインターネットや通信機器を利用して、会社とつながりながら働くことをいいます。在宅勤務やその他テレワークについては、労働基準監督署など相談できる公的機関も少なくありません。疑問や不安があるなら、そういった専門機関や専門家に相談してみましょう。また、実際に導入している企業について詳しく知りたい場合は、ぜひこちらでメルマガ登録してみてください。労働条件通知書は、必要な内容が記載されている限りその書式に決まりはありません。手書きであっても、パソコンで作成された書面でも特に違いはないのです。その内容ですが、まずタイトルには「労働条件通知書」とはっきり書きましょう。そして、従業員の氏名と書面の作成日、事業所の名称と所在地を記載します。そのほか必要なものは、まず「労働契約期間」と「就業場所(在宅勤務ならば従業員の自宅住所)」です。そして、「業務内容」「始業、終業時間」「休憩時間」「休日」「賃金の計算方法、締め日、支払い方法、支払日」について書きましょう。実際に導入したあとは、在宅勤務をするかどうかの判断は会社側が一方的にするべきではありません。「就業場所」は労働条件通知書に明記されるべきものであり、会社側のみにその決定権があるわけではないからです。もちろん、在宅勤務の方が働きやすいのではと思う従業員に対して提案をすることは推奨されるべきですが、最終的な判断は従業員の意志を尊重しましょう。従業員の不安を取り除き、適切な働き方をしてもらうためには、評価制度や昇給基準などについて取り決めをしておくことが重要です。労働条件通知書に盛り込んでおけば法的効力も持たせることができるので、より従業員を安心させることができるでしょう。また、始業、就業時間についても具体的に何をもって仕事の「開始」「終了」とするのかを決めておくこともポイントです。使用者にとっては労務管理がしやすく、また従業員本人にとってもオンとオフのメリハリをつけやすくなるはずです。以上が労働条件通知書の内容です。繰り返しになりますが、必ず従業員と密にコミュニケーションをとり、双方が納得した上で条件を決めましょう。しかし、いくら条件を決めておいても、新しい働き方であるゆえに「自分が周りにどう見られるのか」と従業員が不安を抱いてしまうこともあります。人事評価や給与査定にネガティブな影響を及ぼしてしまうのではないか、と心配してしまう人もいるでしょう。周りの目を気にして、決められた時間以上に働くなど無理な働き方をしてしまう人が出てきてしまう恐れもあります。では、実際に在宅勤務を導入するにあたってどんなことに気を付けなければならないのでしょうか。ここでは、始める前に知っておきたいポイントや注意点について詳しく解説していきます。まず、在宅勤務で働く従業員は自社の社員であり、オフィスで働く人たちと同じ扱いをしなければならないというのを大前提として念頭に置いておかなければなりません。労働基準法もオフィスワーカーと同じように適用されますので、各法令について理解を深めておく必要があります。労働条件通知書は従業員の働き方について細かく示すものであり、ひとりひとりの働き方に則したものでなければありません。もし、働いていくうちに実態が大きく乖離してしまった場合には見直しを検討する必要があります。さまざまな項目について、従業員との認識のずれが起こらないように努めましょう。特に在宅勤務の場合は、オフィス勤務の従業員とは異なる部分がたくさんあるので、事前に細かく決めておくべきことがいろいろあります。労働条件通知書とは、労働時間や賃金など、従業員がどのような条件の下で働くのかをはっきりとさせておくための書面です。労働条件について事前に取り決めを行うことは労働基準法第15条第1項に定められていることであり、違反した場合には罪に問われます。決めるべき内容も第15条第1項の中に明示されており、具体的には「労働契約期間」「賃金」「始業及び就業の時刻」「退職に関する事項」などがあります。全部で13の項目があり、一部の項目を除きすべて書面化しなければなりません。例えば、従業員の健康管理に関する法令について見てみましょう。2019年4月、「働き方改革」の一環として労働安全衛生法が改正され、従業員の健康管理についてそれまで以上に厳しくルール化されました。新しい法令の中では雇用主は労働時間を把握し、定められた時間を超えて働く従業員に対しては医師と面談させることが義務付けられています。在宅勤務の場合でももちろん適用される決まりですので、健康管理についての意識を高めておきましょう。また、勤務中の事故であれば労災保険も適用されます。健康管理だけでなく、安全管理指導も併せて考えておく必要があります。自宅で働ける、という点ではフリーランスも同じですが、「会社と雇用契約を結ばない」という点で在宅勤務とは大きく異なります。フリーランスはプロジェクトごとなど、単発で契約を結ぶだけであり、会社との雇用関係はないのです。自社の社員として扱う必要はなく、労働基準法も適用外です。一方、在宅勤務の場合はあくまで自社社員であり、雇用関係があります。ただ、働く場所が自宅であるだけです。「在宅勤務」について、見聞きする機会が増えたと感じる人は少なくないでしょう。IT技術の進歩、スマートフォンやタブレットの普及などにより、場所にとらわれずに働く人が増えつつあり、新たな働き方に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。在宅勤務やリモートワークが可能になると、労働者にとって働き方の選択肢が増えるだけでなく、会社側としてもさまざまな人に雇用の機会を与えられるというメリットがあります。しかし、実際に導入するとなると労働条件の設定方法や就業規則の改定など、わからないことが多く戸惑ってしまう経営者や企業担当者もいるかもしれません。そこで今回は、従業員に在宅勤務をしてもらうために必要な手続きについて、詳しく解説していきます。
しかし、実際には労働条件通知書と同時に労働契約書を作成する場合がほとんどです。それは、「署名、捺印」の有無に理由があります。労働契約書には、会社と従業員それぞれの署名あるいは捺印があることが一般的です。署名、捺印は契約について双方が納得、合意したことを示し、何かトラブルが起きてしまったときに「そんなことは聞いていない」という事態になることを防いでくれます。一方、労働条件通知書は会社側が一方的に提示するものであり、書面上だけでは従業員の同意については判断が難しいものです。そのため、多くの場合では万が一のリスクを考え、署名、捺印の入った労働契約書と一緒に発行しているのです。「退職、解雇に関すること」「経費に関すること」「緊急時の連絡先」も忘れてはいけません。これらの情報を盛り込んで初めて、労働条件通知書としての体裁が整います。もし、書き方について不安がある場合にはひな形を探してみるのもひとつの手段です。ネット上でダウンロードできるひな形もありますので、探してみましょう。就業規則は、常時10人以上の労働者がいる事業所は作成の義務がありますが、そうでない場合にはその義務はありません。そのため、上記で挙げたようなルールの明文化は必要ないといえますが、従業員が10人未満であっても、従業員のことを考えるなら就業規則を作成し労使協定を結ぶなどの手続きをするのが望ましいといえます。在宅勤務の場合、原則交通費の支給はありません。通勤がないため当然ですが、業務に必要な費用は会社側が負担しなければなりません。例えば通信費や文具購入代、あるいは光熱費といった費用です。他にも業務を進める上で欠かせないものであれば、会社側に負担の義務があります。しかし、光熱費など、どこまで業務に必要な範囲なのかわかりづらい部分があるものもあります。そういったものは事前に従業員とすり合わせを行い、お互いに納得できるように条件を整え、労働条件通知書として書面化しましょう。これは労働基準監督署が義務付けていることでもあります。このように労働条件通知書や就業規則の変更など、在宅勤務の導入にあたっては必要な手続きがあります。これらをやらずに従業員に在宅勤務をさせてしまった場合、労働基準法違反にあたる恐れもありますので注意しましょう。もし、何をしたらいいのかわからない場合には専門機関などに指示を仰ぐべきです。例えば、労働基準監督署に聞いてみましょう。また、厚生労働省が委託しているテレワーク相談センターもあります。フリーダイヤルで相談できたり、メールでいつでも問い合わせできたりしますので、気軽に話を聞きやすいのではないでしょうか。もちろん、対面での相談も可能です。会社に顧問弁護士や社会保険労務士がついている場合には、その人たちに作成してもらうこともできます。従業員と話して決めた内容を共有し、それに沿った書面を作ってもらいましょう。いずれにせよ、自分ひとりでは判断が難しいと思うものについては、専門家や専門機関のアドバイスをもらうのがベターです。「在宅勤務」は、「テレワーク」という働き方のうちのひとつに位置付けられます。テレワークとは「tele(遠い、離れた)」と「work(働く)」を掛け合わせた造語で、IT技術の発達により新たに生まれた労働形態です。労働時間のすべて、あるいはその一部について、勤務先のオフィスではない場所で働くことをいい、大きく分けて「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス」の3つがあります。モバイルワークとは、ノートパソコンやスマートフォンといったモバイル端末を使い、外出先でも業務を進められるようにする働き方のことです。モバイルワークについては、すでに導入している会社も少なくないでしょう。在宅にせよオフィス勤務にせよ、まずは労働契約期間を明確に定める必要があります。この契約期間は正当な理由がない限り会社側から一方的に変更することはできません。また、就業場所や業務内容、始業時間と終業時間についても明記します。この場合、就業場所は当然ながら従業員の自宅住所です。併せて、休日と休憩時間についても書いておきます。賃金については、その計算方法や締め日、支払い方法、支払日を書いておかなければなりません。変更する内容としては、まずは在宅勤務を命じることについて規定しなければなりません。また、フレックスタイム制の採用など在宅勤務導入にあたり在宅勤務用の労働時間を設定する場合にはその旨も記載します。通信費や経費についても併せて載せておきましょう。就業規則を変更したときには、所轄の労働基準監督署に届け出ることが必須です。加えて変更した内容について従業員に周知徹底を図り、従業員が自分にとって働きやすい方法を選べるようにすることも求められます。在宅勤務を導入するにあたっては、就業規則の中に在宅勤務に関する規定を盛り込んでおくことが必要です。そのため、就業規則の変更も求められます。通常のオフィスでの勤務と何も変わらないのであれば就業規則を変える必要はありませんが、実際には経費や通信費の支払いについてなど、在宅勤務のみに適用されるルールがあることがほとんどです。それゆえ在宅勤務用の就業規則が必要なのです。就業規則を変えるときには、就業規則そのものを変更する場合と、在宅勤務規定を別に作る場合とがあります。在宅勤務の導入は、従業員に新たな働き方を提案してくれるものです。働く意欲はあっても、子育てや介護など何らかの事情で家を離れられない人も中にはいます。そういった人たちにも働くチャンスを与えることができるので、さまざまな雇用を生み出すチャンスになるでしょう。人材不足に悩む企業にとっては、有効な解決策のひとつになるはずです。始めるにあたっては、まず就業規則に在宅勤務に関する規定を盛り込まなければなりません。それに応じて労働条件通知書も作成します。その内容については、企業側が一方的に決めるのではなく、従業員とよく話しながら決める必要があります。誤解やすれ違いがないように、事前に細かな部分まで決めておきましょう。労働条件通知書と混同されがちなものに、労働契約書があります。これは雇用主と従業員との間で交わされる契約書です。一般的には、2部作成して雇用主と従業員のそれぞれで保管しておきます。実は、労働契約書の発行は法律に定められているものではありません。日本の民法においては「意志主義」を基本としているため、雇用について雇用主と従業員が合意しているのであれば、口約束であっても契約は正式に成り立ちます。もし、契約について書面を発行しなかったからといって罪に問われることはないのです。他には退職や解雇に関する項目も必要です。退職にはどのような手続きが必要なのか、どんなことをしたら解雇事由にあたるのかなど、明確にしておきましょう。在宅勤務の場合は経費についてもはっきりさせておくべきです。経費で支払えるものとそうでないもの、支払い方法、光熱費などを経費で支払う場合の割合などを決めておきます。また、万が一従業員と連絡がつかなくなったときのことを考え、緊急時の連絡方法についても共有しておきましょう。サテライトオフィスとは、勤務先ではない別のオフィスでパソコンなどの通信機器を使って働く方法をいいます。ひとつの会社がスペースを占有する方法だけでなく、複数の会社と共同でスペースを借りることも可能です。都心部の企業は地方に、地方企業は都心部にサテライトオフィスを置くことで、さまざまな人を雇用することができるようになるでしょう。そして、在宅勤務は自宅でインターネットや通信機器を利用して、会社とつながりながら働くことをいいます。在宅勤務やその他テレワークについては、労働基準監督署など相談できる公的機関も少なくありません。疑問や不安があるなら、そういった専門機関や専門家に相談してみましょう。また、実際に導入している企業について詳しく知りたい場合は、ぜひこちらでメルマガ登録してみてください。労働条件通知書は、必要な内容が記載されている限りその書式に決まりはありません。手書きであっても、パソコンで作成された書面でも特に違いはないのです。その内容ですが、まずタイトルには「労働条件通知書」とはっきり書きましょう。そして、従業員の氏名と書面の作成日、事業所の名称と所在地を記載します。そのほか必要なものは、まず「労働契約期間」と「就業場所(在宅勤務ならば従業員の自宅住所)」です。そして、「業務内容」「始業、終業時間」「休憩時間」「休日」「賃金の計算方法、締め日、支払い方法、支払日」について書きましょう。実際に導入したあとは、在宅勤務をするかどうかの判断は会社側が一方的にするべきではありません。「就業場所」は労働条件通知書に明記されるべきものであり、会社側のみにその決定権があるわけではないからです。もちろん、在宅勤務の方が働きやすいのではと思う従業員に対して提案をすることは推奨されるべきですが、最終的な判断は従業員の意志を尊重しましょう。従業員の不安を取り除き、適切な働き方をしてもらうためには、評価制度や昇給基準などについて取り決めをしておくことが重要です。労働条件通知書に盛り込んでおけば法的効力も持たせることができるので、より従業員を安心させることができるでしょう。また、始業、就業時間についても具体的に何をもって仕事の「開始」「終了」とするのかを決めておくこともポイントです。使用者にとっては労務管理がしやすく、また従業員本人にとってもオンとオフのメリハリをつけやすくなるはずです。以上が労働条件通知書の内容です。繰り返しになりますが、必ず従業員と密にコミュニケーションをとり、双方が納得した上で条件を決めましょう。しかし、いくら条件を決めておいても、新しい働き方であるゆえに「自分が周りにどう見られるのか」と従業員が不安を抱いてしまうこともあります。人事評価や給与査定にネガティブな影響を及ぼしてしまうのではないか、と心配してしまう人もいるでしょう。周りの目を気にして、決められた時間以上に働くなど無理な働き方をしてしまう人が出てきてしまう恐れもあります。では、実際に在宅勤務を導入するにあたってどんなことに気を付けなければならないのでしょうか。ここでは、始める前に知っておきたいポイントや注意点について詳しく解説していきます。まず、在宅勤務で働く従業員は自社の社員であり、オフィスで働く人たちと同じ扱いをしなければならないというのを大前提として念頭に置いておかなければなりません。労働基準法もオフィスワーカーと同じように適用されますので、各法令について理解を深めておく必要があります。労働条件通知書は従業員の働き方について細かく示すものであり、ひとりひとりの働き方に則したものでなければありません。もし、働いていくうちに実態が大きく乖離してしまった場合には見直しを検討する必要があります。さまざまな項目について、従業員との認識のずれが起こらないように努めましょう。特に在宅勤務の場合は、オフィス勤務の従業員とは異なる部分がたくさんあるので、事前に細かく決めておくべきことがいろいろあります。労働条件通知書とは、労働時間や賃金など、従業員がどのような条件の下で働くのかをはっきりとさせておくための書面です。労働条件について事前に取り決めを行うことは労働基準法第15条第1項に定められていることであり、違反した場合には罪に問われます。決めるべき内容も第15条第1項の中に明示されており、具体的には「労働契約期間」「賃金」「始業及び就業の時刻」「退職に関する事項」などがあります。全部で13の項目があり、一部の項目を除きすべて書面化しなければなりません。例えば、従業員の健康管理に関する法令について見てみましょう。2019年4月、「働き方改革」の一環として労働安全衛生法が改正され、従業員の健康管理についてそれまで以上に厳しくルール化されました。新しい法令の中では雇用主は労働時間を把握し、定められた時間を超えて働く従業員に対しては医師と面談させることが義務付けられています。在宅勤務の場合でももちろん適用される決まりですので、健康管理についての意識を高めておきましょう。また、勤務中の事故であれば労災保険も適用されます。健康管理だけでなく、安全管理指導も併せて考えておく必要があります。自宅で働ける、という点ではフリーランスも同じですが、「会社と雇用契約を結ばない」という点で在宅勤務とは大きく異なります。フリーランスはプロジェクトごとなど、単発で契約を結ぶだけであり、会社との雇用関係はないのです。自社の社員として扱う必要はなく、労働基準法も適用外です。一方、在宅勤務の場合はあくまで自社社員であり、雇用関係があります。ただ、働く場所が自宅であるだけです。「在宅勤務」について、見聞きする機会が増えたと感じる人は少なくないでしょう。IT技術の進歩、スマートフォンやタブレットの普及などにより、場所にとらわれずに働く人が増えつつあり、新たな働き方に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。在宅勤務やリモートワークが可能になると、労働者にとって働き方の選択肢が増えるだけでなく、会社側としてもさまざまな人に雇用の機会を与えられるというメリットがあります。しかし、実際に導入するとなると労働条件の設定方法や就業規則の改定など、わからないことが多く戸惑ってしまう経営者や企業担当者もいるかもしれません。そこで今回は、従業員に在宅勤務をしてもらうために必要な手続きについて、詳しく解説していきます。