働き方改革に関連して、2018年に制定された法律だが、今回の法改正で“パワハラ防止法”としての役割も持つという。果たして何が変わり、労働者や企業にはどんな影響が出るのだろうか。厚生労働省が公開している情報などをもとに、まず…
この中で新たに明記された企業の義務を「パワハラ防止法」と呼びます。※改正労働施策総合推進法は、2018年6月末までは雇用対策法と呼ばれていました <参照> 労働施策総合推進法/労政時報の人事ポータルjin-jour. 指針では、どのような行為がパワーハラスメントに該当するのかを具体的に例示するとともに、そのような行為が起きないように、会社が取り組むべき防止措置の内容を定めています。そうなると、社内の人間関係などをある程度理解し、関係部署と連絡しながら適切な対応をすることが期待できる、主任やマネージャーなどが窓口になるのが妥当といえるのではないでしょうか。さらに、会社は、その明確にした方針を、その従業員に対して「周知・啓発」しなければなりません。指針では、従業員からパワーハラスメントに関する相談があった場合には、会社は次のとおり対応することが必要であることが定められています。したがって、就業規則の規定として、パワーハラスメントの行為を禁止するとともに、当該行為を行った従業員に対する懲戒処分の内容を、具体的に定めておくことが必要です。また、新入社員など適切かつ柔軟な対応が望めない従業員も相応しくないと考えます。方針を定めることにより、組織全体で「パワーハラスメントを許さない」という環境や社風を醸成することが求められています。したがって、会社の判断によることになりますが、指針では、例えば次のような方法を具体例として挙げています。2 前項の場合において、その情状が特に悪質と認められるときは、懲戒解雇とする。ただし、平素の服務態度その他の情状によっては、第〇条に定める普通解雇、または、第〇条に定める減給もしくは出勤停止とすることがある。ただし、人事権を持つ従業員(人事部長など)が窓口になるのは相応しくないでしょう。相談方法は、面談に限定せず、電話、書面、電子メールなど、できるだけ間口を広げておくとよいでしょう。・当社は、ハラスメント行為を断じて許さず、すべての従業員が互いに尊重し合える、安全で快適な職場環境づくりに取り組んでいきます。[要素b.
パワハラ防止法(労働施策総合推進法)とはどんな法律か、パワハラの定義や具体例、事業主が講ずべき措置の内容などを中心に解説します。違反した場合の罰則やパワハラ事案が発生した後の対処法も確 … 教育・指導の名目でも社会通念上許容される限度を超えていればパワハラとなる可能性があるということです。加えて、パワハラの加害者に対して厳しく対処する方針や、懲戒処分などの対処内容を就業規則や服務規定に定め、周知・啓発しなくてはなりません。なお、パワハラ防止法は、2020年6月より実際に施工されてしまう内容のものであるのに、全く準備が進んでいないように感じます。基本的に労働者にとっては完全に有利になる内容が明文化されるので、理論武装しておいて損はありません。ただし、ただちに実利があるかと問われると、そうではありません。業務委託をする個人事業主やインターンシップの学生、求職者などは労働者の範囲に含まれません。パワハラの行為者だけでなく、パワハラを放置した企業も社会的なイメージを失墜し、ひいては業績悪化につながる可能性もあります。企業にも職場環境配慮義務があるため、パワハラを含む各種ハラスメントを防止するための環境を整え、ハラスメント事案が発生した際には速やかに対処する必要があります。パワハラ指針では事業主が講ずべき措置を次のように定めています。加えて昨今はSNSで情報が一気に広まる時代です。被害者や被害者が加入する労働組合がパワハラ防止法違反を世間に大々的にアピールすることで、企業の信用失墜につながる可能性があります。懲戒処分は就業規則にもとづいておこなわれる必要があり、安易な懲戒処分はパワハラ加害者から訴えられかねませんので慎重におこないましょう。パワハラ防止法はパワハラのないよりよい職場環境をつくるための法律です。法の趣旨や指針が示す内容を理解して実行するとともに、職場ではお互いが思いやりの心をもってコミュニケーションをとることも重要です。など、労働問題でお困りの事を、【労働問題を得意とする弁護士】に相談することで、あなたの望む結果となる可能性が高まります。また時間の制限はないため、勤務時間外におこなわれたものであってもパワハラに該当します。ご自身、そして大切な家族をトラブルから守るため、まずは資料請求からご検討されてはいかがでしょうか。パワハラが事実だった場合、パワハラの内容に応じて加害者に対する処分を検討します。相談窓口がない、相談しても軽くあしらわれたといった場合には、パワハラ防止法に違反していることになります。人事部などへ違反している旨を伝える、労働局へ通報するなどの方法をとることができます。事業主はパワハラについて労働者から相談があった際には、次の措置を講じる必要があります。たとえば相談に対応する担当者を決める、相談への対応を弁護士などへ外部委託するなどの方法が挙げられます。企業規模が小さく窓口や担当を決める余裕がない中小企業などでは、とくに外部委託は有効な方法でしょう。また法改正がおこなわれた事実によってパワハラに対する社会の目がいっそう厳しくなっています。パワハラの行為者およびそれを放置する企業のリスクは高まっていると認識するべきでしょう。2018年度の「個別労働紛争解決制度の施行状況」によれば、いじめ・嫌がらせに関する相談件数は8万2797件と過去最高となっています。たとえば次のようなケースでは職場内での優先的な関係が背景にあるといえるでしょう。6つの類型は限定列挙ではありませんので、これに該当しない場合でもパワハラだと認められるケースがある点には注意が必要です。お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。そこで今回は、パワハラ防止法および指針の内容を整理して解説いたします。もちろん、施行前だからといってパワハラをしてもよいわけではありません。パワハラをした人は民法の不法行為責任が問われるほか、刑事罰に処せられる可能性もあります。被害者へのフォローや謝罪、パワハラが発生してしまった原因の究明も重要です。社内規定の見直しや体制の強化、経営者からのメッセージ発信などを通じて再発防止に努めましょう。労働者が能力を発揮するのに重大な妨げとなるような看過できない程度の支障を指します。たとえば就業意欲が低下する、業務に専念できないなどの影響が生じている場合です。パワハラ防止法の適用を受ける職場や労働者の範囲を確認しておきましょう。防止策はここまでお伝えした通りですので、実際にパワハラ事案が発生した後の対応に絞って紹介します。一方でパワハラは適切な教育・指導との線引きが難しい側面があります。何でもパワハラだと決めつけることで、必要な教育・指導がおこなわれない事態は避けなくてはなりません。また相談者に対してはパワハラに該当しない理由を理解してもらえるように丁寧に説明し、行為者へどのような指導をおこなったのかも伝えるなど、納得して業務に専念できるよう配慮するのが望ましいでしょう。ご自身の代理人となって企業へ防止を求めることや、労働審判・裁判の対応を任せることもできます。経営者・労働者を問わずパワハラの知識を深めて防止に努めることが義務化されたため、これまで無意識にあるいは悪意的になされてきたパワハラが減ると期待されています。パワハラ指針ではパワハラの定義として3要件を示すとともに、典型的なパワハラと呼べる6つの類型を紹介しています。言動を受ける者が行為者に対して抵抗・拒絶できない蓋然性が高い関係を背景におこなわれるものを指します。したがって上司から部下への言動だけとは限らず、同僚や部下による言動でもパワハラになり得ます。パワハラ防止法が成立した背景のひとつとして、パワハラや関連する行為に対する相談件数が増加したことが挙げられます。事業主はパワハラを防止するために自社でどのような方針をとるのかを明確にし、管理監督者を含める労働者に周知・啓発しなくてはなりません。上記(1)~(3)までの措置をおこなう際には、併せて次の措置も実施する必要があります。また相談窓口の担当者が適切に対応できるよう、担当者へ対する研修の実施や人事部との連携をあらかじめ整えておくことなども求められます。パワーハラスメント(以下パワハラ)は、労働者の就業意欲の低下や精神的な障害、離職率の上昇などを引き起こす行為です。労働者から相談があった際に適切に対処するために必要な体制の整備として、相談窓口を設けて事前に労働者へ周知することが必要です。労働問題に関する専門知識を持つ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。6つの類型をもとに、何をするとパワハラに該当するのか具体例をチェックしてみましょう。法改正にともない、厚生労働省はいわゆるパワハラ指針(事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針)も公表しています。ご自身が人事やコンプライアンス部門などに所属し、パワハラ対策を講ずべき立場にある場合の、対応のポイントをまとめます。職場におけるパワハラとは、以下の3つの要件をすべて満たすものと定義されています。また2016年12月に厚生労働省が公表した「過労死等ゼロ」緊急対策は、大手広告会社に勤める女性社員の過労自殺が、上司によるパワハラが一因となったとの指摘をきっかけに取りまとめられたという見方があります。指導する側は相手の成長を促すよう努めること、指導される側は適正な指導かどうかをしっかり見極める冷静さが必要となるでしょう。業務上明らかに必要のない行為や目的を大きく逸脱した行為、業務遂行の手段として不適切な行為をいいます。パワハラにあたるか否かは平均的な労働者の感じ方を基準としつつ、労働者の属性や心身の状況、行為者との関係などさまざまな角度から総合的に判断されるべきものとされています。パワハラ防止法の施行によって労働者がパワハラを相談しやすい環境が整うことになるため、パワハラを受けた場合はすぐに相談しましょう。何か法律トラブルに巻き込まれた際、弁護士に相談するのが一番良いと知りながらも、どうしても費用がネックになり相談が出来ず泣き寝入りしてしまう方が多くいらっしゃいます。そんな方々をいざという時に守るための保険が弁護士費用保険です。若く尊い命が失われたこともパワハラ防止法成立の背景にあるといえるでしょう。企業活動に関わるすべての人は、パワハラについての正しい知識を備え、パワハラのない職場環境をつくることを求められているといえるでしょう。自身が受けた言動がどの類型のパワハラにあたるのかは、厚生労働省のハラスメント対策サイト「あかるい職場の応援団」内で設問に答えてチェックしてみてもよいでしょう。しかし、パワハラ防止法の趣旨に照らし、これらの人に対しても注意や配慮をすることが望ましいとされています。労働者と同様の方針を示し、実際にパワハラがあった場合には同じく必要な対応をするのがよいでしょう。今回の法改正でパワハラそのものへの罰則規定は見送られましたが、今後の改善状況などによっては罰則が設けられる可能性はあると思っておくべきでしょう。
]第〇条 従業員によるパワーハラスメントに関する相談および苦情への対応に当たっては、会社は、関係者のプライバシーの保護について十分に留意するとともに、相談をしたこと、または事実関係の確認に協力したこと等を理由として、従業員に対して解雇その他の不利益な取り扱いを行ってはならない。
パワハラ防止法では、①優越的な関係を背景とした言動で、②業務上必要かつ相当な範囲を超 えたものにより、③労働者の就業環境が害されるもの、という3要件がすべて揃った行為を職場に