若いときのペールは、母親のオーゼと二人で貧しく暮らしながら、たいした仕事も財産も無いのに「いつか世界を支配する皇帝になりたい」なんて言っている大ぼら吹きでした。さらにペールは、イングリードを略奪しようとする途中、百姓の娘であるソルヴェーグという純情な女性に出会い、さっそく口説いていました。ソルヴェーグは、初めはペールを拒みますが、やがて森にあるペールの小屋に来て、ペールと暮らすようになります。しかし、魔王の娘にも追われるようになったペールは、ソルヴェーグを残して去っていきます。ペール・ギュントは物語の主人公の名前です。彼は夢想家で大ぼら吹きでした。これは、ペールが世界を旅して、最後に年老いて故郷に戻るまでの波乱万丈の生涯を、ドタバタと描く物語です。ペール・ギュントは、1867年にノルウェーのイプセンが書いた戯曲です(ちなみに日本では大政奉還の年)。その9年後に劇場で公演され、そのときにグリーグが音楽をつけました。町にいられなくなったペールは、山奥に迷い込みます。そこでペールは、魔物たちに出会います。なんとペールは、魔王の娘を妻に迎えて、自分が魔王になろうとしました。しかし、魔王の出す条件を聞いて考え直し、魔王の家来に追われながら、命からがら逃げ出します(山の魔王の宮殿にて)。その後もペールは、金持ちになったり、財産を失ったり、数々の冒険を繰り返します。老年になるまでに、ペールは、カリフォルニアで再び巨万の富をなしました。年老いたペールは、財産と共に故郷に帰ろうとしますが、船が嵐で難破して、再び無一文になりました。無一文になったペールですが、その砂漠で、盗賊が隠していた立派な服と馬を見つけ、「メッカの預言者」に化けました。そこで今度は、ペールは砂漠のベドウィンの酋長の娘アニトラに誘惑されます(アニトラの踊り)。ペールはアニトラと駆け落ちしようしますが、結局はアニトラに騙され、財産を奪われた後に砂漠に捨てられました。故郷に戻ったペールは無一文で、意気消沈します。しかし、ペールが世界中ででたらめな人生を過ごす間、故郷ではソルヴェーグがひたすらペールを待ち続けていました。ソルヴェーグは彼を待ちながら年をとり、盲目となっていましたが、ペールを許し、彼に子守唄を歌います。そしてペールは、ソルヴェーグの膝の上で、安らかに息を引きとり、その波乱万丈の生涯を静かに終えました。故郷に帰ると、母オーゼは死の淵にありました。オーゼは、ペールの空想話を聞きながら、微笑みながら亡くなります(オーゼの死)。ペールは、元彼女で資産家の娘イングリードが結婚すると聞き、いきなり結婚式に乱入してイングリードを浚います。滅茶苦茶な話ですが、実はイングリードもペールに心が残っていて、イングリードはペールを受け入れます。ところが酷い話で、ペールはすぐにイングリードに飽き、彼女の元を離れます。イングリードはペールを恨みながら町に戻るのです(イングリードの嘆き)。
ペール・ギュントは、1867年にノルウェーのイプセンが書いた戯曲です(ちなみに日本では大政奉還の年)。その9年後に劇場で公演され、そのときにグリーグが音楽をつけました。ペール・ギュントは物語の主人公の名前です。彼は夢想家で大ぼら吹きでした。
2, Op. 55/1891) イングリッドの嘆き(Bruderovet. Ingrids klage) アラビアの踊り(Arabisk Dans/Arabic Dance) ペール・ギュントの帰郷(Peer Gynts hjemfart) ソルヴェーグの歌(ソルヴェーグの歌)(Solveigs Sang) 山の魔王の宮殿にて; 第2組曲(Suite No.