コチラが、その1992年モデルの「エストレヤ」。今回もカワサキさんから広報写真と資料をご提供いただきました!ありがとうございます。まずは1992年モデルのカタログの一文を引用してみます。若干ポエムっぽい感じが(オッちゃんである筆者には)少々恥ずかしい感じもしますが、それでも本モデルの本質を表現した名文です。 続いては、自動車技術会が発行している学生向け小冊子”Motor Ring” No.22(2006年3月25日)に掲 … 250TRとエストレヤの違いを比較。ここでは、2007年2月発売のカワサキ 250TR(JBK-BJ250F)と2007年2月発売のカワサキ エストレヤ(JBK-BJ250A)の違いを比較しました。 エストレヤ カフェレーサー(菜の花バックで)こちらは、2014年3月時点のカスタム状態です。もう既に原型無きまでにカスタムされています。2013年に購入し、結局1年以内でかなりしっかりカフェレーサーになっていました。 また、リヤフェンダーの美しいメッキモールは、そのままフレームメンバーとして利用されており、機能と美を見事に両立しています。その結果は車両全体から溢れ出ています。繊細なフィンを持つ美しい空冷4ストロークSOHC単気筒エンジン。伸びやかに取りまわされたエキゾーストパイプと、歯切れのよい排気音を響かせるキャブトンタイプのマフラー。そしてやさしい曲線で構成されたフューエルタンクやサイドカバーをはじめとした各部のパーツ類……1960年代にカワサキが吸収した目黒製作所が生産していた250ccモデルをモチーフにしたと思われますが、実に良い塩梅に仕上げてくれました。がしかし……(これは筆者の個人的見解ですけど……)そうしたモデルは、エントリーライダーの多い250ccクラスにも必要だと思うのです。誰もが気軽に、ササっと、カッコ良く乗れるオートバイ……排ガス規制は厳しくなる一方ですし、排気量の小さな車両では容易ではないことと思いますが、絶対性能を求めない「エストレヤ」なら空冷単気筒で大丈夫。「W800」が復活したように、是非「エストレア」も復活して欲しい!そう願う筆者なのであります。車両重量は乾燥で142kgと、シングルなのに少しも軽快ではないのですが、むしろそれを重量感として好ましく受け取ることができる……そんなモデルでありました。「エストレヤ」をベースにしつつ、雰囲気をガラっと変えることに成功しています。続く1996年には「エストレヤ」と「エストレヤ RS」のフロントディスクブレーキをドラムブレーキに”進化”させたモデルが追加されました。それぞれのモデル名に”カスタム”が付加されて、「エストレヤ カスタム」・「エストレヤ RS カスタム」となります。質の高い塗装や鞍型のシート、金属パーツのメッキ仕上げなど、その作り込みの美しさと質感の高さは、中高年ライダーも高く評価するものでした。ニュース、カスタムからファッションまで、バイクをサクッと楽しむショートニュースメディアforRide(フォーライド)続いては、自動車技術会が発行している学生向け小冊子”Motor Ring” No.22(2006年3月25日)に掲載されたカワサキの寄稿記事を見てみましょう。若干ポエムっぽい感じが(オッちゃんである筆者には)少々恥ずかしい感じもしますが、それでも本モデルの本質を表現した名文です。ということで「エストレヤ」は、カワサキがササっと若者に向けて作ったモデルなどでは決してなく、本気でモーターサイクルのあり方を検討した結果生まれた、隠れた力作なのであります。英国車テイストに進んだ「エストレヤ」でしたが、一方で2002年には、1960~70年代のスクランブラーを想起させる派生モデル「250 TR」が登場しています。これは折からのストリートバイク・ブームへの対応です。ということで大変長くなってしまいました、今回の平成の名車は「エストレヤ」を取り上げてみました。カワサキは、絶対性能を追い求めず、オートバイの根源的な楽しさを突き詰めたモデルとして「W800」を大切にしています。コレ、とても良いことだと思います。「エストレヤ」の最高出力は20ps。当時販売されていた同じ250cc単気筒モデルであるホンダ「GB250」は30psですから、カワサキの狙いが、より鮮明になります。このドラムブレーキ化は賛否両論あると思いますが……ストリートバイク・ブーム華やかなりし当時、クラシック路線でのカスタムが流行した際、唯一、近代的に見えてしまうディスクブレーキがネックとなっていたことに対応したものでしょう。ブレーキシステムをディスクからドラムに改修するのは大掛かりです。下手に手出しされるより……ということでカワサキが手を打ったと考えれば、筆者は良かったのではないかと思います。コチラが、その1992年モデルの「エストレヤ」。今回もカワサキさんから広報写真と資料をご提供いただきました!ありがとうございます。オートバイ系雑誌・書籍編集をする傍ら、自転車輸入販売業として起業。得意ジャンルは自転車(子ども車・子ども乗せ・クロスバイク)・オートバイ・自動車・アウトドア。カワサキについては既に「ゼファー」を取り上げておりまして、エンジン形式が空冷4気筒でありながら「コレぞオートバイ!」という形を提案。しかも最高出力をググっと落とした決断が、何より素晴らしいと感じた筆者です。白いパイピングも美しく、このダブルシートも良く似合っていますね(筆者はオリジナルの鞍型シートが好みですが……)。メッキパーツを極力減らしつつ、細見のガソリンタンクとタックロールシートを採用。またキャラメルブロックパターンのタイヤを装着したホイールは前19インチ・後18インチ。コレが効いています。アップフェンダーも中々に良い感じでした。実際、1950~1960年代の英国車を思わせるクラシックバイクのようなエクステリアは、この「エストレヤ カスタム」で完成したと言えましょう。キャブ→インジェクションへと進化することで2006年の規制を乗り切った「エストレヤ」でしたが、2016年の規制には耐えきれず……2017年、遂に「エストレヤ ファイナルエディション」が発表されてしまいました……平成元年となる1989年に生れたゼファーは400ccクラスを劇的に変えました。レーサーレプリカ・ブームに終止符を打ったのです。その3年後となる1992年、カワサキは新たに250ccクラスにスタンダードなモーターサイクル「エストレヤ」を投入したのでした。そして2006年には、ロングシートバージョンである「エストレヤ RS」に、新たにクロームメッキを各部に施した「エストレヤ RS クロームバージョン」が追加されました。カワサキ的にも思い入れがあったのでしょう。かつての名車「W3-A」をモチーフとしたコダワリの1台に仕上げられていました。本車両については発表後に記事にしていますので、詳細はそちらをご覧ください。続いて1995年にはスタイリッシュなダブルシートを採用した「エストレヤ RS」が追加されました。フューエルインジェクションを搭載することで環境問題をクリアするとともに、寒い季節でのエンジン始動性を大きく向上させています。さらにアイドリングをいっそう安定させ、扱いやすいパワー特性を実現。またイグニッションやハンドルロックのスタイル変更、それにタコメーターの装着やプッシュキャンセル式ターンシグナルの採用など、扱いやすさを大きく改善していました。「メタリックオーシャンブルー」を基調として、フューエルタンクの側面やサイドカバー、ヘッドライトボディの全面にクロームメッキを施すなど、「輝き」を一段と向上させていました。また、シート表皮にはブラックとホワイトのツートーンを採用するなど、特別な1台に仕上がっています。そして2006年の排ガス規制に対応するモデルチェンジを果たして、2007年に新たな「エストレヤ」が登場。インジェクションが採用されていました。【平成の名車を振り返る】と題して、思い付くままに、平成に生れたエポックメイキングな車両をご紹介していますが、今回はカワサキ「Estrella」を取り上げます。速さを競うわけでもなく、まして性能やパワーを争うわけでもない。持つことを喜び、ふれることを喜び、そして、ただ乗ることだけで十分魅了されてしまうバイク。それは人とかけ離れた高度で複雑な機械=マシンではなく、誰にでも親しめるもっと身近な存在であるのかもしれません。カワサキ・エストレヤ。そのシングルエンジンが生みだす心地良い響きは、そんな素晴らしい楽しみを教えてくれることでしょう。人の温もりへ旅するバイク、エストレヤ。
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