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海馬・扁桃体においてセロトニンは、過剰になったこれらの活動性を抑えることで不安を軽減させていると考えられています。 セロトニンを増やす作用を持つ抗うつ剤が不安障害に効くのも、セロトニンが増える事によって海馬や扁桃体の過剰な活動が抑えられるためだと考えられます。 脳の変化を長期に持続させることは、不安を抑える重要な要素だ。 ・2017年、ニューロイメージ:クリニカル誌に発表された研究では、認知機能を制御する脳の各部位と扁桃体との神経接続がcbtによって強化されることが判明した。 前頭葉の活動によって、扁桃体の働きが抑制される。ストレスについて客観的に認知できるようになった人は、この扁桃体の活動を抑えることができる、つまり、ストレス反応をスタート地点で抑制する … これらはストレスによって枯渇する。サプリメントや食材で補給しよう。風呂に入る、昼寝をする、早めにベッドに入るなど、リラックスして英気を養うための時間を意識的に作ろう。そして、食事で脳を鍛えつつ、食事内容以外の方法で「脳を最高の状態にする習慣」を身につける必要性も指摘しています。リクナビNEXTの公式サイトを装った不審なサイトにご注意下さい著者のクック氏が「脳を最高の状態にする習慣」として挙げているのは、以下の12の方法。本書では、能力自己診断シートから始まり、自身の経験をもとにした「脳にいい食事の原則14」「最強の脳を作る食事術10」「脳のパフォーマンスを最大化するスーパーフード21」を詳しく解説。今回はこの、忙しいビジネスパーソンでもすぐに実践できる「脳を最高の状態にする習慣12」について、抜粋しご紹介します。また、本書の巻末では、脳にいい食材をふんだんに使った「レシピ」も紹介。例えば、脳の炎症を軽減するターメリックを入れ、卵の代わりに脳の有害成分を排除する豆腐を使う「エッグレススクランブル」、脳細胞の健康を保つオメガ3脂肪酸を含む亜麻仁油を使った「脳力アップバター」などなど。まずはこれらのレシピに挑戦して、「脳を最高の状態にする習慣4」の「いつもとは違うことをして、脳細胞のつながりを増やす」を実践してみてもいいかもしれませんね。食べ過ぎは記憶力低下や認知障害を招くという研究結果がある。盛りつけの量を少なくする、ビュッフェやお代わり自由の店は避けるなどの工夫をしよう。誰かと一緒に食べる、テレビを見ながら食べるのも効果的。ストレッチ運動や有酸素運動は、長・短期的な記憶力を高める効果がある。ハンブルク大学によると、毎週一定の時間ストレッチをした被験者の短期記憶が高まり、週に1~2時間サイクリングのエクササイズをした被験者の長期記憶は6カ月後に高まった。週に2階の1時間のストレッチか、週2回の1時間以上の有酸素運動を目安に。今回ご紹介したのはごく一部ですが、本書で紹介されている「脳力アップ」の方法のはどれも、誰もが簡単に実践できるものばかり。特に脳にいい食材の選び方、脳の活性化に効果的な食事術は、ストレス社会で生きる現代人ならば日常生活に積極的に取り入れたいところです。心の声に従い、ストレスの原因になっている相手とはできるだけ関わらないようにするのが◎。ビジネスパーソンのための、キャリアとビジネスのニュース・コラムサイト。 キャリア構築やスキルアップに役立つコンテンツを配信しています。週に3回、きびきびとしたペースのウォーキングや適度なジョギングを40分行うと、認知症の悪影響を抑制する効果が見られた。ゲームやパズルは脳にいいとはいえ、部屋に閉じこもるばかりではなく、近所を散歩する習慣をつけよう。車や公共交通機関を使って通勤しているならば、歩ける区間を探してみたり、駅や会社ではエレベーターやエスカレーターではなく階段を使うよう心がけるのもいい。経済的なストレスはIQに悪影響を生じさせるという研究結果がある。クレジットカードを財布に入れないなどの工夫を。脳を最適な状態に保つには安定したエネルギー供給が重要。時間がなければ無塩のナッツ類を。眠るだけで脳は健康になり、睡眠が不足すると記憶力は低下する。うまく寝付けない人は、夕食を就寝3時間前に済ませ、就寝前はテレビやスマホなどブルーライトが使われている電化製品は避けること。ゲームやパズルは、短・長期的な記憶力、情報の保持、集中力を高める。アルツハイマー病や外傷性脳損傷などの脳疾患に罹患している人でも、記憶力ゲームやコンピューターによる脳トレーニングプログラムに参加すると、認知機能の改善がみられる。加えて、ゲームやパズルはストレスを和らげる効果もある。腸内フローラが健康なバランスを保っているかどうかは、記憶力の優秀さや脳疾患への抵抗力の強さを判断する指針になる。ラクトバチルス・プランタルムなどといった能力アップの有効性が裏付けられたプロバイオティクスのサプリメントを摂取する方法のほか、プロバイオティクスを多く含むキムチもお勧め。頭を使う何かに挑戦することで、脳細胞のつながりが増え、記憶力が向上する。オススメは、かつて学んだ外国語を復習すること。外国語で施行するとき、普段は使うことのない脳のつながりが強化されるためだ。ゲームやクイズで脳を鍛える「脳トレ」、適度な運動で脳を活性化する「脳フィットネス」など、近年「脳」の力に注目する動きが高まっています。仕事の合間に屋外に出て新鮮な空気を吸うだけで、ストレスホルモンのレベルを下げることができる。ものの1分でOK。脳細胞や神経細胞が適切に機能するには十分な水が必要。1日を通してこまめに水分補給を。ストレスが慢性化すると、脳のエネルギーが減り、記憶力が低下する。脳のためには、仕事やプライベートの予定をびっしり詰め込むのではなく、「何もしない時間」を作ることが大切。「忙しくてそんな時間を作る余裕がない」と言う人こそペースを落とすべきだ。フロリダ大学の研究によると、太極拳を生活に取り入れている人は、認知機能の低下の度合いが少なかった。ドイツ・ボン大学によると、気功はパーキンソン病の症状改善に役立った。いずれも脳だけでなく、体内の臓器の機能を整える効果がある。これら8つのシンプルな方法を実践すれば、ストレスが和らぎ、脳の健康を保つことが可能になる。少し意識するだけで、仕事の能率も上がるはずだ。その中、米国の著名な栄養コンサルタントであるミシェル・ショーフロ・クック氏は、「脳は食べ物で鍛える時代」と提唱。脳科学、栄養学のデータから脳のパフォーマンスを上げる食事を研究し、その内容を解説した著書『脳にいい食事大全』を発売しました。瞑想は、脳を傷つけるストレスと、その結果として生じるストレスホルモンを抑制する効果がある。また、脳の4つの領域が影響を受け、脳への血流が増えることもわかっている。まずは1日10分、静かな場所でゆっくりと深呼吸をしながら瞑想することから始めてみよう。ピロリ菌は感染性細菌だが、近年認知機能の低下や認知症との関連があることがわかった。病院で検査のうえ、ピロリ菌がいることがわかったら、薬物治療とともに「天然の抗菌物質」である無糖のクランベリージュースやプロバイオティクス「LC1乳酸菌」、オレガノ油、ターメリックなどを併用するとさらなる効果が期待できる。極端な何かに挑戦する必要はなく、例えばいつもと違う道を通って帰宅するだけでも、脳細胞間のつながりが強化される。そのほか、初めての料理を作ってみる、初対面の人と話をする、美術館に行ってみる、習い事を始めるなどの小さな変化を起こすだけで、脳に新しい回路が生まれ、記憶力が改善する。 扁桃体の場合、ドーパミン(神経伝達物質)がD1およびD2受容体を介して信号を伝達していることが知られています。これまで、動物実験において扁桃体におけるD1およびD2受容体の役割が調べられてきま … ここから扁桃体のはたらきが過剰になると不安や恐怖を感じやすくなり、扁桃体のはたらきが弱まると不安や恐怖を感じにくくなることが分かります。メラトニンは夜暗くなると松果体から分泌され、それによって私たちは自然な眠気を感じます。腸管ではセロトニンは主に消化管の運動を促す作用があります。この作用を利用したお薬としてはガスモチン(一般名;モサプリド)という胃薬があります。ガスモチンは腸管のセロトニン4受容体を刺激する作用があり、これによって腸管の蠕動運動を促進させてくれます。セロトニンの作用については、まだ全てが解明されているわけではありませんが、ここでは現時点で考えられているセロトニンの脳における代表的な役割を紹介します。私たちの脳には多くの神経細胞があり、その数は100億~1000億個とも言われています。更に神経細胞はそれぞれが1000個~10万個程度の別の神経細胞とシナプスを形成し、情報の伝達を行っています。このように私たちの身体の中では膨大な数の神経ネットワークが形成されているのです。セロトニンは脳内で神経伝達物質としてはたらき、ある神経から別の神経へ情報を伝達する役割を持っています。前頭前野のはたらきが低下すると、計画を立てたり考えたり、それらをもとに行動したりという能力が低下します。これは意欲や自発性の低下として現れます。また、社会性が低下したり、理性を保てず衝動的な行動が多くなることもあります。セロトニンは、発見された当初は気分に影響を与える物質だとは考えられていませんでした。セロトニンは最初は平滑筋という筋肉を収縮させる作用を持つ物質として発見されています。平滑筋は、血管や気管支、腸管など様々な部位に存在する筋肉で、私たちが意識しなくても必要に応じて勝手に収縮したり弛緩したりしてくれる筋肉です。例えば、うつ病は脳のセロトニンが欠乏することが一因だと考えられており、これはモノアミン仮説と呼ばれています。そして、実際にセロトニンを増やす作用を持つ抗うつ剤がうつ病に効果を示します。とはいってもこれらの食品ばかり取り続ける必要はありません。通常の食生活を送っていれば、必要なトリプトファンは十分摂取できます。極端な偏食をせず、バランスの良い食生活を心がけましょう。適度な運動は脳を活性化させ、セロトニン神経の活性化にもなります。また過敏性腸症候群というストレスによって下痢や腹痛が生じる疾患に使われる治療薬にも、セロトニン3受容体をブロックする作用を持つものがあります。これはセロトニンのはたらきをブロックする事で腸の動きを穏やかにし、下痢や腹痛を改善させる事が狙いです。そして体内のセロトニンのうち脳に存在するのは1~2%ほどに過ぎません。セロトニンが脳にも作用しているのは確かですが、脳ではたらいているセロトニンは身体全体で見るとわずか1~2%に過ぎないのです。ある程度長い時間継続する運動で、単調に身体を動かす運動が良いようです。この神経は主にモノアミン(ノルアドレナリンとセロトニン)を分泌することが分かっています。セロトニンは脳の松果体という部位でメラトニンというホルモンになります。メラトニンは主に睡眠を導いたり、体内リズムを調整するはたらきを持ちます。上記の方法でも十分にセロトニンが増えず、毎日が苦しい場合には精神科・心療内科で相談しましょう。場合によっては、抗うつ剤などを使って人工的にセロトニンを増やしてあげた方が、早く良くなる事もあります。実際、交通事故などで前頭前野に障害を受けると意欲や自発性が低下し、社会的適応力が低くなり衝動的な行動が増えることが知られています。食事から摂取されたトリプトファンは腸から吸収され、血液に乗って脳へ運ばれ、神経と神経のつなぎ目である神経終末に送られます。神経終末にはトリプトファンをセロトニンに変換する酵素が存在しており、これによってトリプトファンはセロトニンになります。合成されたセロトニンはそのまま神経終末にとどまり、神経が興奮すると神経伝達物質として放出されるのです。セロトニンというと脳に関係する物質だと考える方が多いですが、実はセロトニンの大部分は消化管に存在しており、体内のセロトニンの90%が消化管にあります。次に多いのは血液中の血小板内で、ここには約8%のセロトニンが存在しています。こころの病気、精神科のお薬、メンタルヘルスを向上させるコツなどを配信しています脳におけるセロトニン神経は、中脳にある縫線核(ほうせんかく)という部位に神経細胞があり、そこから前頭葉の前頭前野、視床、線条体、海馬・扁桃体、脊髄などといった様々な部位に神経(軸索)を伸ばしています。また、同じく気分に影響を与える物質であるノルアドレナリン系の神経細胞がある青斑核にも軸索を伸ばしています。また「大縫線核」という部位からは下行性疼痛抑制系と呼ばれる痛みを抑える経路へ軸索を伸ばしています。確実な方法が分かっているわけではありませんが、現時点で考えられているセロトニンを増やす方法や精神科医をしていて感じるセロトニンを増やす習慣について紹介します。うつ病の一型に「季節性情動障害(SAD)」という疾患があります。これは別名「冬季うつ病」と呼ばれたりもしますが、毎年冬になると抑うつ症状が出現する疾患です。冬季うつ病はその原因として、冬に日照時間が短くなって十分な日光を浴びれない事が挙げられています。実際、「光照射療法」という強い光を患者さんに浴びせるような治療法が冬季うつ病には効果があります。「背側縫線核(はいそくほうせんかく)」という部位からは前頭前野、視床、線条体に軸索が伸びています。前頭前野は思考や認知、計画、実行機能などの高次機能を司っています。セロトニンは別名「5-水酸化トリプタミン」と呼ばれ、アミン系という種類の化合物になります。脳は複雑で高度な活動を行う器官であるため、定期的にしっかりと休めないとはたらきが弱まってしまいます。パニック障害・社会不安障害などの不安障害圏の疾患や強迫性障害もセロトニンの異常が一因だと考えられており、うつ病と同じくセロトニンを増やす抗うつ剤が効果を示します。このような工夫により、私たちの神経細胞は様々な情報を伝達し、複雑な活動を行うことが可能となっているのです。神経伝達物質の種類は100種類以上あると言われていますが、セロトニンはその中の1つです。セロトニンを増やすためには、毎日1回は外に出て、日の光を浴びるようにすると良いでしょう。反対に、毎日刺激のない単調な生活を送ってしまうと、セロトニン神経は活性化されにくくなります。私たちの体の中には約10mgほどのセロトニンがあり、様々なはたらきをしています。これはなぜかというとセロトニン神経はその細胞数は少ないながらも脳の広範囲に軸索を伸ばしており、他の神経よりも多くのシナプスを形成しているからです。セロトニン神経は他の神経と比べて薬100倍多くのシナプスを形成しているという報告もあります。ちなみにレセルピンという降圧剤(血圧を下げるお薬)がありますが、レセルピンにはノルアドレナリンとセロトニンを減らす作用があります。レセルピンをラットに投与すると意欲や自発性が低下し、ほとんど動かなくなってしまう事が知られています。また人においてもレセルピンの副作用によって、うつ病のような状態になってしまう事が報告されています。これはレセルピンがセロトニンを減らす事で、人工的にうつ状態を作り出したのだと考えられます。しかしトリプトファンはたくさん取ればとるほど良いというものでもありません。多すぎても問題となります。近年セロトニンを「幸せホルモン」などと呼び、気分に良い影響を与える物質として扱われていますが、これはセロトニンのはたらきのごく一部を表しているに過ぎません。セロトニンが気分に影響を与える物質であるのは確かですが、セロトニンはそれ以外にも多くの作用を持った物質なのです。仕事で一日中室内にいる方も多いとは思いますが、休憩時間などを上手に利用して、毎日日光を浴びる習慣を作る事が大切です。海馬・扁桃体においてセロトニンは、過剰になったこれらの活動性を抑えることで不安を軽減させていると考えられています。セロトニンが減ってしまうと、これらの部位のはたらきが悪くなることが考えられます。血小板のセロトニンは、主に止血作用(血を止める作用)を持っています。血管が傷ついて出血した時に、セロトニンが血小板から放出される事で血管が収縮します。これによって、出血が止まりやすくなります。トリプトファンはタンパク質を多く含む食べ物に含まれます。具体的には肉類や魚類などの動物性タンパク質に多く含まれており、また豆類などの植物性タンパク質にもある程度含まれています。「幸せホルモン」と呼ばれているセロトニンですが、実は気分以外に作用している量の方が圧倒的に多いのです。セロトニンのはたらきが弱くなると下行性疼痛抑制系神経のはたらきが弱くなるため、痛みを抑えずらくなります。すると痛みを普段よりも感じやすくなってしまいます。反対に一日中室内にいるような方は、セロトニン神経が活性化されにくいと考えられます。セロトニンを増やす作用を持つ抗うつ剤が不安障害に効くのも、セロトニンが増える事によって海馬や扁桃体の過剰な活動が抑えられるためだと考えられます。ではどのようにすれば脳のセロトニンを増やす事が出来るのでしょうか。などがあります。各神経伝達物質によってそれぞれ異なった情報を伝えるはたらきがあり、これによって神経は様々な情報を伝える事が出来るようになっています。また神経伝達物質がくっつく部位である受容体にもそれぞれ複数の種類があり、同じ神経伝達物質でもくっつく受容体によって異なる情報を伝達することができます。そしてセロトニンはBBBを通過する事ができません。そのため、セロトニンそのものを摂取しても全く意味がないのです(トリプトファンはBBBを通過できます)。ちなみにトリプトファンではなく、セロトニンそのものを食べたり注射したりしても、脳内のセロトニンは増えるのでしょうか。もしトリプトファンが少ないという理由で脳内のセロトニン量が減っているのであれば、トリプトファンを摂取することは気分の改善に効果があります。、トリプトファンを補ってあげれば脳内のセロトニン濃度が増える事が期待できるからです。私たち人間は、このトリプトファンを自分で作り出すことが出来ません。そのため、トリプトファンは食事から取り入れるしかありません。脳などの中枢から末梢器官に向かって「下行性疼痛抑制系」という痛みを抑えるはたらきを持つ神経が走っています。この神経はその名の通り、疼痛(痛み)を抑制する(抑える)はたらきを持つ神経です。存在すると書きましたが、それぞれでのはたらきをかんたんに説明します。脳においてセロトニンは、神経伝達物質としてはたらいています。神経伝達物質とは、神経から神経に情報を伝えるために分泌される物質です。神経と神経の接合部は「シナプス」と呼ばれますが、このシナプス内に神経伝達物質が分泌される事で神経は別の神経に情報を伝えています。セロトニン神経は前頭前野でシナプスを形成し情報伝達を行っているため、セロトニンの量が減ると前頭前野のはたらきが悪くなるという事が考えられます。この膨大な数のシナプス内で情報の伝達を行う役割を持っているのがセロトニンなどの神経伝達物質になります。実際、うつ病の患者さんは症状として「痛み」が生じることが多いとも言われており、うつ病患者さんの約6割は何らかの痛みが生じているという報告もあります。セロトニンが低下すると痛みを感じやすくなるという事がここからも分かります。寝不足が続くと、気分が晴れなかったり、些細な事でイライラしたりといった経験がみなさんもあるのではないでしょうか。海馬や扁桃体は「不安」「恐怖」の回路に関与している器官になります。正中神経核のセロトニン神経は、海馬・扁桃体に軸索を伸ばしており、ここからセロトニン神経は不安や恐怖にも関わっていることが考えられます。こころの病気について知ろうとすると、「セロトニン」という物質が大きく関わっていることに気付きます。実際うつ病の改善を報告する研究のほとんどは有酸素運動で行われています。中には重量挙げや短距離走などの無酸素運動が有酸素運動と同等のうつ病改善効果があると報告した研究もありますが、根拠の多さから考えると、有酸素運動の方が良いでしょう。生活の中で喜怒哀楽の感情をなるべく引き出すように意識すると、セロトニンも増えやすくなります。縫線核にあるセロトニン神経は、前頭葉にも軸索を伸ばしています。これは恐らく、意欲や自発性に関係しているのだと考えられます。前頭葉のセロトニンが低下すると意欲や自発性が低下し、うつ状態が引き起こされるのです。セロトニン以外にも神経伝達物質はたくさんあり、代表的なものを紹介すると更に詳しくみると、縫線核の中の「正中神経核」という部位から海馬・扁桃体に軸索が伸びています。海馬や扁桃体は、不安や恐怖といった情動や、記憶などに関わっていると考えられています。セロトニンが不足するとメラトニンが合成できなくなるため、セロトニンは睡眠や体内リズムにも関係しているという事が出来ます。意識的に脳を活動させるものとしておすすめなのが、感情を動かす事です。統合失調症や双極性障害に用いられる抗精神病薬にもセロトニンへの作用がありますし、気分安定薬にもセロトニンへの作用が報告されています。主にうつ病や不安障害などのこころの病気の方に使われる方法になりますが、いわゆる「抗うつ剤」は脳のセロトニンを増やすはたらきがあります。またメラトニンは昼に少なく、夜になると多く分泌され、これによって外界のリズムと体内リズムが同じになるように調整するはたらきがあります。ある物質が血液を通って脳に入るためには、血液脳関門(BBB:Blood Brain Barrier)という部位を通らないといけません。BBBは脳の関所のようなもので、脳に入っても良い物質とダメな物質を選別するはたらきがあります。BBBによって「脳に入れない」と判断された物質は脳に入ることが出来ません。うつ病では脳内のセロトニンが低下すると考えられていますが、セロトニンの低下によって前頭前野のはたらきが低下すると、などは、深く考えず軽く遊ぶ程度であれば問題ありませんが、「競技」として得点を競う目的でやってしまうと逆効果になってしまう事もありますので注意しましょう。ちなみに運動と言ってもどんな運動でもいいというわけではありません。このように見てみると、こころの病気はセロトニンと深く関わっていることが分かります。またセロトニンについて深く知ることは、メンタルヘルスの向上にもつながります。そのためトリプトファンの摂取は「適度」にとれていれば十分で、それ以上を無理矢理取る必要はありません。「セロトニン(serotonin)」という名前も「血清(serum)」「収縮(tonic)」という2つの用語をつなげたところからきています。当初はセロトニンは「血清にある血管を収縮させる物質」だと考えられていたという事がここからも分かります。また有酸素運動でも複雑な運動はセロトニンを増やす運動としては必ずしも良いとは言えません。その理由は、まだ脳の機能が低下している状態で、頭を使う複雑な運動をしてしまうと、かえって脳が疲弊してしまう可能性があるからです。脳は非常に重要な臓器であるため、異物が侵入しないためにこのような防御システムがあるのです。例えば血管が切れてしまうと出血をしますが、出血すると、血小板から血清にセロトニンが放出される事が知られています。するとセロトニンが血管の平滑筋を収縮させるため、出血部位の血管が縮んで血が止まりやすくなるのです。これは意味がないと考えられています。セロトニンを摂取しても、セロトニンは構造上、脳に入ることが出来ないのです。運動の中でも、一人で出来るような比較的単調な有酸素運動がもっとも良いと考えられています。脳神経の中で最も使われている神経伝達物質はグルタミン酸だといわれています。セロトニンはというと、神経伝達物質の中で占める割合は少ないと考えられていますが、脳に与える影響は非常に大きい物質です。また、統合失調症の患者さんに昔に行われていた治療法として、前頭葉を切除するというロボトミーという手術が行われていた時代がありました。ロボトミーによって前頭葉を切除すると意欲や自発性が低下し、興奮状態にあった統合失調症の患者さんがおとなしくなります。当初はこれを「統合失調症が改善した」と判断されていましたが、これも前頭葉の切除によって自発性や意欲の低下をさせていたのだと考えられます。セロトニンを増やすためには、意識的に脳を活動させることも大切です。意識的に脳を動かすと、それがきっかけとなって脳が活性化し始めます。運動は脳血流を増加させ、BDNF(脳由来神経栄養因子)という神経細胞を成長させる物質を増加させる事が多くの研究で明らかにされています。これによってセロトニン神経も活性化するのだと考えられます。ラットを用いた動物実験でも、人工的に正中神経核を破壊すると恐怖を感じにくくなり、人工的に正中神経核を刺激すると恐怖を感じないような環境でも恐怖を感じるようになる事が示されています。ウィリアムズ症候群という扁桃体の活動性が低下している病気があります。この疾患の方は、非常におおからで優しく、社会的な恐怖心を感じることが少ないことが知られています。同じくクリューバー・ビューシー症候群という扁桃体が破壊される事による障害では恐怖や怒りを感じにくくなる事が知られています。そのため、セロトニン神経はその数は少ないながらも私たちの脳に多くの影響を与えているのです。セロトニンを増やすためには、十分な睡眠も重要です。睡眠不足はうつ病発症のリスクになります。セロトニン神経は日光を浴びる事で、活性化する事が分かっています。うつ病の治療にも運動が有効な事は多くの研究で報告されています。などの高次機能を司っている部位です。いわゆる「人間らしさ」はこの前頭前野のはたらきによってつくられます。私たちが他の動物と異なり、複雑な事を計画したり考えたり、理性を持って社会的活動が出来るのは、この前頭葉のおかげなのです。多くの人と触れ合えば、話をしたり、反対に色々な話を聞いて刺激を受ける事で感情が動かされる機会が増えます。また映画や小説、アートなどに触れ合うことは感情を動かすのにとても役立ちます。セロトニンの主な作用について紹介してきました。このような作用を見ると、セロトニンを増やすことはこころの健康のために良いことが分かります。実際、以前にはうつ病の治療法としてトリプトファンの人工大量投与が行われた事がありました。確かに一定の効果はあったのですが、一方で過剰にトリプトファンを摂取させると重篤な副作用が生じることもあったのです。代表的なものとしては好酸球増多症候群や筋肉痛などがあり、中には死亡するケースもあったそうです。セロトニンはトリプトファンというアミノ酸を原料にして作られます。
海馬・扁桃体においてセロトニンは、過剰になったこれらの活動性を抑えることで不安を軽減させていると考えられています。 セロトニンを増やす作用を持つ抗うつ剤が不安障害に効くのも、セロトニンが増える事によって海馬や扁桃体の過剰な活動が抑えられるためだと考えられます。 脳の変化を長期に持続させることは、不安を抑える重要な要素だ。 ・2017年、ニューロイメージ:クリニカル誌に発表された研究では、認知機能を制御する脳の各部位と扁桃体との神経接続がcbtによって強化されることが判明した。 前頭葉の活動によって、扁桃体の働きが抑制される。ストレスについて客観的に認知できるようになった人は、この扁桃体の活動を抑えることができる、つまり、ストレス反応をスタート地点で抑制する … これらはストレスによって枯渇する。サプリメントや食材で補給しよう。風呂に入る、昼寝をする、早めにベッドに入るなど、リラックスして英気を養うための時間を意識的に作ろう。そして、食事で脳を鍛えつつ、食事内容以外の方法で「脳を最高の状態にする習慣」を身につける必要性も指摘しています。リクナビNEXTの公式サイトを装った不審なサイトにご注意下さい著者のクック氏が「脳を最高の状態にする習慣」として挙げているのは、以下の12の方法。本書では、能力自己診断シートから始まり、自身の経験をもとにした「脳にいい食事の原則14」「最強の脳を作る食事術10」「脳のパフォーマンスを最大化するスーパーフード21」を詳しく解説。今回はこの、忙しいビジネスパーソンでもすぐに実践できる「脳を最高の状態にする習慣12」について、抜粋しご紹介します。また、本書の巻末では、脳にいい食材をふんだんに使った「レシピ」も紹介。例えば、脳の炎症を軽減するターメリックを入れ、卵の代わりに脳の有害成分を排除する豆腐を使う「エッグレススクランブル」、脳細胞の健康を保つオメガ3脂肪酸を含む亜麻仁油を使った「脳力アップバター」などなど。まずはこれらのレシピに挑戦して、「脳を最高の状態にする習慣4」の「いつもとは違うことをして、脳細胞のつながりを増やす」を実践してみてもいいかもしれませんね。食べ過ぎは記憶力低下や認知障害を招くという研究結果がある。盛りつけの量を少なくする、ビュッフェやお代わり自由の店は避けるなどの工夫をしよう。誰かと一緒に食べる、テレビを見ながら食べるのも効果的。ストレッチ運動や有酸素運動は、長・短期的な記憶力を高める効果がある。ハンブルク大学によると、毎週一定の時間ストレッチをした被験者の短期記憶が高まり、週に1~2時間サイクリングのエクササイズをした被験者の長期記憶は6カ月後に高まった。週に2階の1時間のストレッチか、週2回の1時間以上の有酸素運動を目安に。今回ご紹介したのはごく一部ですが、本書で紹介されている「脳力アップ」の方法のはどれも、誰もが簡単に実践できるものばかり。特に脳にいい食材の選び方、脳の活性化に効果的な食事術は、ストレス社会で生きる現代人ならば日常生活に積極的に取り入れたいところです。心の声に従い、ストレスの原因になっている相手とはできるだけ関わらないようにするのが◎。ビジネスパーソンのための、キャリアとビジネスのニュース・コラムサイト。 キャリア構築やスキルアップに役立つコンテンツを配信しています。週に3回、きびきびとしたペースのウォーキングや適度なジョギングを40分行うと、認知症の悪影響を抑制する効果が見られた。ゲームやパズルは脳にいいとはいえ、部屋に閉じこもるばかりではなく、近所を散歩する習慣をつけよう。車や公共交通機関を使って通勤しているならば、歩ける区間を探してみたり、駅や会社ではエレベーターやエスカレーターではなく階段を使うよう心がけるのもいい。経済的なストレスはIQに悪影響を生じさせるという研究結果がある。クレジットカードを財布に入れないなどの工夫を。脳を最適な状態に保つには安定したエネルギー供給が重要。時間がなければ無塩のナッツ類を。眠るだけで脳は健康になり、睡眠が不足すると記憶力は低下する。うまく寝付けない人は、夕食を就寝3時間前に済ませ、就寝前はテレビやスマホなどブルーライトが使われている電化製品は避けること。ゲームやパズルは、短・長期的な記憶力、情報の保持、集中力を高める。アルツハイマー病や外傷性脳損傷などの脳疾患に罹患している人でも、記憶力ゲームやコンピューターによる脳トレーニングプログラムに参加すると、認知機能の改善がみられる。加えて、ゲームやパズルはストレスを和らげる効果もある。腸内フローラが健康なバランスを保っているかどうかは、記憶力の優秀さや脳疾患への抵抗力の強さを判断する指針になる。ラクトバチルス・プランタルムなどといった能力アップの有効性が裏付けられたプロバイオティクスのサプリメントを摂取する方法のほか、プロバイオティクスを多く含むキムチもお勧め。頭を使う何かに挑戦することで、脳細胞のつながりが増え、記憶力が向上する。オススメは、かつて学んだ外国語を復習すること。外国語で施行するとき、普段は使うことのない脳のつながりが強化されるためだ。ゲームやクイズで脳を鍛える「脳トレ」、適度な運動で脳を活性化する「脳フィットネス」など、近年「脳」の力に注目する動きが高まっています。仕事の合間に屋外に出て新鮮な空気を吸うだけで、ストレスホルモンのレベルを下げることができる。ものの1分でOK。脳細胞や神経細胞が適切に機能するには十分な水が必要。1日を通してこまめに水分補給を。ストレスが慢性化すると、脳のエネルギーが減り、記憶力が低下する。脳のためには、仕事やプライベートの予定をびっしり詰め込むのではなく、「何もしない時間」を作ることが大切。「忙しくてそんな時間を作る余裕がない」と言う人こそペースを落とすべきだ。フロリダ大学の研究によると、太極拳を生活に取り入れている人は、認知機能の低下の度合いが少なかった。ドイツ・ボン大学によると、気功はパーキンソン病の症状改善に役立った。いずれも脳だけでなく、体内の臓器の機能を整える効果がある。これら8つのシンプルな方法を実践すれば、ストレスが和らぎ、脳の健康を保つことが可能になる。少し意識するだけで、仕事の能率も上がるはずだ。その中、米国の著名な栄養コンサルタントであるミシェル・ショーフロ・クック氏は、「脳は食べ物で鍛える時代」と提唱。脳科学、栄養学のデータから脳のパフォーマンスを上げる食事を研究し、その内容を解説した著書『脳にいい食事大全』を発売しました。瞑想は、脳を傷つけるストレスと、その結果として生じるストレスホルモンを抑制する効果がある。また、脳の4つの領域が影響を受け、脳への血流が増えることもわかっている。まずは1日10分、静かな場所でゆっくりと深呼吸をしながら瞑想することから始めてみよう。ピロリ菌は感染性細菌だが、近年認知機能の低下や認知症との関連があることがわかった。病院で検査のうえ、ピロリ菌がいることがわかったら、薬物治療とともに「天然の抗菌物質」である無糖のクランベリージュースやプロバイオティクス「LC1乳酸菌」、オレガノ油、ターメリックなどを併用するとさらなる効果が期待できる。極端な何かに挑戦する必要はなく、例えばいつもと違う道を通って帰宅するだけでも、脳細胞間のつながりが強化される。そのほか、初めての料理を作ってみる、初対面の人と話をする、美術館に行ってみる、習い事を始めるなどの小さな変化を起こすだけで、脳に新しい回路が生まれ、記憶力が改善する。 扁桃体の場合、ドーパミン(神経伝達物質)がD1およびD2受容体を介して信号を伝達していることが知られています。これまで、動物実験において扁桃体におけるD1およびD2受容体の役割が調べられてきま … ここから扁桃体のはたらきが過剰になると不安や恐怖を感じやすくなり、扁桃体のはたらきが弱まると不安や恐怖を感じにくくなることが分かります。メラトニンは夜暗くなると松果体から分泌され、それによって私たちは自然な眠気を感じます。腸管ではセロトニンは主に消化管の運動を促す作用があります。この作用を利用したお薬としてはガスモチン(一般名;モサプリド)という胃薬があります。ガスモチンは腸管のセロトニン4受容体を刺激する作用があり、これによって腸管の蠕動運動を促進させてくれます。セロトニンの作用については、まだ全てが解明されているわけではありませんが、ここでは現時点で考えられているセロトニンの脳における代表的な役割を紹介します。私たちの脳には多くの神経細胞があり、その数は100億~1000億個とも言われています。更に神経細胞はそれぞれが1000個~10万個程度の別の神経細胞とシナプスを形成し、情報の伝達を行っています。このように私たちの身体の中では膨大な数の神経ネットワークが形成されているのです。セロトニンは脳内で神経伝達物質としてはたらき、ある神経から別の神経へ情報を伝達する役割を持っています。前頭前野のはたらきが低下すると、計画を立てたり考えたり、それらをもとに行動したりという能力が低下します。これは意欲や自発性の低下として現れます。また、社会性が低下したり、理性を保てず衝動的な行動が多くなることもあります。セロトニンは、発見された当初は気分に影響を与える物質だとは考えられていませんでした。セロトニンは最初は平滑筋という筋肉を収縮させる作用を持つ物質として発見されています。平滑筋は、血管や気管支、腸管など様々な部位に存在する筋肉で、私たちが意識しなくても必要に応じて勝手に収縮したり弛緩したりしてくれる筋肉です。例えば、うつ病は脳のセロトニンが欠乏することが一因だと考えられており、これはモノアミン仮説と呼ばれています。そして、実際にセロトニンを増やす作用を持つ抗うつ剤がうつ病に効果を示します。とはいってもこれらの食品ばかり取り続ける必要はありません。通常の食生活を送っていれば、必要なトリプトファンは十分摂取できます。極端な偏食をせず、バランスの良い食生活を心がけましょう。適度な運動は脳を活性化させ、セロトニン神経の活性化にもなります。また過敏性腸症候群というストレスによって下痢や腹痛が生じる疾患に使われる治療薬にも、セロトニン3受容体をブロックする作用を持つものがあります。これはセロトニンのはたらきをブロックする事で腸の動きを穏やかにし、下痢や腹痛を改善させる事が狙いです。そして体内のセロトニンのうち脳に存在するのは1~2%ほどに過ぎません。セロトニンが脳にも作用しているのは確かですが、脳ではたらいているセロトニンは身体全体で見るとわずか1~2%に過ぎないのです。ある程度長い時間継続する運動で、単調に身体を動かす運動が良いようです。この神経は主にモノアミン(ノルアドレナリンとセロトニン)を分泌することが分かっています。セロトニンは脳の松果体という部位でメラトニンというホルモンになります。メラトニンは主に睡眠を導いたり、体内リズムを調整するはたらきを持ちます。上記の方法でも十分にセロトニンが増えず、毎日が苦しい場合には精神科・心療内科で相談しましょう。場合によっては、抗うつ剤などを使って人工的にセロトニンを増やしてあげた方が、早く良くなる事もあります。実際、交通事故などで前頭前野に障害を受けると意欲や自発性が低下し、社会的適応力が低くなり衝動的な行動が増えることが知られています。食事から摂取されたトリプトファンは腸から吸収され、血液に乗って脳へ運ばれ、神経と神経のつなぎ目である神経終末に送られます。神経終末にはトリプトファンをセロトニンに変換する酵素が存在しており、これによってトリプトファンはセロトニンになります。合成されたセロトニンはそのまま神経終末にとどまり、神経が興奮すると神経伝達物質として放出されるのです。セロトニンというと脳に関係する物質だと考える方が多いですが、実はセロトニンの大部分は消化管に存在しており、体内のセロトニンの90%が消化管にあります。次に多いのは血液中の血小板内で、ここには約8%のセロトニンが存在しています。こころの病気、精神科のお薬、メンタルヘルスを向上させるコツなどを配信しています脳におけるセロトニン神経は、中脳にある縫線核(ほうせんかく)という部位に神経細胞があり、そこから前頭葉の前頭前野、視床、線条体、海馬・扁桃体、脊髄などといった様々な部位に神経(軸索)を伸ばしています。また、同じく気分に影響を与える物質であるノルアドレナリン系の神経細胞がある青斑核にも軸索を伸ばしています。また「大縫線核」という部位からは下行性疼痛抑制系と呼ばれる痛みを抑える経路へ軸索を伸ばしています。確実な方法が分かっているわけではありませんが、現時点で考えられているセロトニンを増やす方法や精神科医をしていて感じるセロトニンを増やす習慣について紹介します。うつ病の一型に「季節性情動障害(SAD)」という疾患があります。これは別名「冬季うつ病」と呼ばれたりもしますが、毎年冬になると抑うつ症状が出現する疾患です。冬季うつ病はその原因として、冬に日照時間が短くなって十分な日光を浴びれない事が挙げられています。実際、「光照射療法」という強い光を患者さんに浴びせるような治療法が冬季うつ病には効果があります。「背側縫線核(はいそくほうせんかく)」という部位からは前頭前野、視床、線条体に軸索が伸びています。前頭前野は思考や認知、計画、実行機能などの高次機能を司っています。セロトニンは別名「5-水酸化トリプタミン」と呼ばれ、アミン系という種類の化合物になります。脳は複雑で高度な活動を行う器官であるため、定期的にしっかりと休めないとはたらきが弱まってしまいます。パニック障害・社会不安障害などの不安障害圏の疾患や強迫性障害もセロトニンの異常が一因だと考えられており、うつ病と同じくセロトニンを増やす抗うつ剤が効果を示します。このような工夫により、私たちの神経細胞は様々な情報を伝達し、複雑な活動を行うことが可能となっているのです。神経伝達物質の種類は100種類以上あると言われていますが、セロトニンはその中の1つです。セロトニンを増やすためには、毎日1回は外に出て、日の光を浴びるようにすると良いでしょう。反対に、毎日刺激のない単調な生活を送ってしまうと、セロトニン神経は活性化されにくくなります。私たちの体の中には約10mgほどのセロトニンがあり、様々なはたらきをしています。これはなぜかというとセロトニン神経はその細胞数は少ないながらも脳の広範囲に軸索を伸ばしており、他の神経よりも多くのシナプスを形成しているからです。セロトニン神経は他の神経と比べて薬100倍多くのシナプスを形成しているという報告もあります。ちなみにレセルピンという降圧剤(血圧を下げるお薬)がありますが、レセルピンにはノルアドレナリンとセロトニンを減らす作用があります。レセルピンをラットに投与すると意欲や自発性が低下し、ほとんど動かなくなってしまう事が知られています。また人においてもレセルピンの副作用によって、うつ病のような状態になってしまう事が報告されています。これはレセルピンがセロトニンを減らす事で、人工的にうつ状態を作り出したのだと考えられます。しかしトリプトファンはたくさん取ればとるほど良いというものでもありません。多すぎても問題となります。近年セロトニンを「幸せホルモン」などと呼び、気分に良い影響を与える物質として扱われていますが、これはセロトニンのはたらきのごく一部を表しているに過ぎません。セロトニンが気分に影響を与える物質であるのは確かですが、セロトニンはそれ以外にも多くの作用を持った物質なのです。仕事で一日中室内にいる方も多いとは思いますが、休憩時間などを上手に利用して、毎日日光を浴びる習慣を作る事が大切です。海馬・扁桃体においてセロトニンは、過剰になったこれらの活動性を抑えることで不安を軽減させていると考えられています。セロトニンが減ってしまうと、これらの部位のはたらきが悪くなることが考えられます。血小板のセロトニンは、主に止血作用(血を止める作用)を持っています。血管が傷ついて出血した時に、セロトニンが血小板から放出される事で血管が収縮します。これによって、出血が止まりやすくなります。トリプトファンはタンパク質を多く含む食べ物に含まれます。具体的には肉類や魚類などの動物性タンパク質に多く含まれており、また豆類などの植物性タンパク質にもある程度含まれています。「幸せホルモン」と呼ばれているセロトニンですが、実は気分以外に作用している量の方が圧倒的に多いのです。セロトニンのはたらきが弱くなると下行性疼痛抑制系神経のはたらきが弱くなるため、痛みを抑えずらくなります。すると痛みを普段よりも感じやすくなってしまいます。反対に一日中室内にいるような方は、セロトニン神経が活性化されにくいと考えられます。セロトニンを増やす作用を持つ抗うつ剤が不安障害に効くのも、セロトニンが増える事によって海馬や扁桃体の過剰な活動が抑えられるためだと考えられます。ではどのようにすれば脳のセロトニンを増やす事が出来るのでしょうか。などがあります。各神経伝達物質によってそれぞれ異なった情報を伝えるはたらきがあり、これによって神経は様々な情報を伝える事が出来るようになっています。また神経伝達物質がくっつく部位である受容体にもそれぞれ複数の種類があり、同じ神経伝達物質でもくっつく受容体によって異なる情報を伝達することができます。そしてセロトニンはBBBを通過する事ができません。そのため、セロトニンそのものを摂取しても全く意味がないのです(トリプトファンはBBBを通過できます)。ちなみにトリプトファンではなく、セロトニンそのものを食べたり注射したりしても、脳内のセロトニンは増えるのでしょうか。もしトリプトファンが少ないという理由で脳内のセロトニン量が減っているのであれば、トリプトファンを摂取することは気分の改善に効果があります。、トリプトファンを補ってあげれば脳内のセロトニン濃度が増える事が期待できるからです。私たち人間は、このトリプトファンを自分で作り出すことが出来ません。そのため、トリプトファンは食事から取り入れるしかありません。脳などの中枢から末梢器官に向かって「下行性疼痛抑制系」という痛みを抑えるはたらきを持つ神経が走っています。この神経はその名の通り、疼痛(痛み)を抑制する(抑える)はたらきを持つ神経です。存在すると書きましたが、それぞれでのはたらきをかんたんに説明します。脳においてセロトニンは、神経伝達物質としてはたらいています。神経伝達物質とは、神経から神経に情報を伝えるために分泌される物質です。神経と神経の接合部は「シナプス」と呼ばれますが、このシナプス内に神経伝達物質が分泌される事で神経は別の神経に情報を伝えています。セロトニン神経は前頭前野でシナプスを形成し情報伝達を行っているため、セロトニンの量が減ると前頭前野のはたらきが悪くなるという事が考えられます。この膨大な数のシナプス内で情報の伝達を行う役割を持っているのがセロトニンなどの神経伝達物質になります。実際、うつ病の患者さんは症状として「痛み」が生じることが多いとも言われており、うつ病患者さんの約6割は何らかの痛みが生じているという報告もあります。セロトニンが低下すると痛みを感じやすくなるという事がここからも分かります。寝不足が続くと、気分が晴れなかったり、些細な事でイライラしたりといった経験がみなさんもあるのではないでしょうか。海馬や扁桃体は「不安」「恐怖」の回路に関与している器官になります。正中神経核のセロトニン神経は、海馬・扁桃体に軸索を伸ばしており、ここからセロトニン神経は不安や恐怖にも関わっていることが考えられます。こころの病気について知ろうとすると、「セロトニン」という物質が大きく関わっていることに気付きます。実際うつ病の改善を報告する研究のほとんどは有酸素運動で行われています。中には重量挙げや短距離走などの無酸素運動が有酸素運動と同等のうつ病改善効果があると報告した研究もありますが、根拠の多さから考えると、有酸素運動の方が良いでしょう。生活の中で喜怒哀楽の感情をなるべく引き出すように意識すると、セロトニンも増えやすくなります。縫線核にあるセロトニン神経は、前頭葉にも軸索を伸ばしています。これは恐らく、意欲や自発性に関係しているのだと考えられます。前頭葉のセロトニンが低下すると意欲や自発性が低下し、うつ状態が引き起こされるのです。セロトニン以外にも神経伝達物質はたくさんあり、代表的なものを紹介すると更に詳しくみると、縫線核の中の「正中神経核」という部位から海馬・扁桃体に軸索が伸びています。海馬や扁桃体は、不安や恐怖といった情動や、記憶などに関わっていると考えられています。セロトニンが不足するとメラトニンが合成できなくなるため、セロトニンは睡眠や体内リズムにも関係しているという事が出来ます。意識的に脳を活動させるものとしておすすめなのが、感情を動かす事です。統合失調症や双極性障害に用いられる抗精神病薬にもセロトニンへの作用がありますし、気分安定薬にもセロトニンへの作用が報告されています。主にうつ病や不安障害などのこころの病気の方に使われる方法になりますが、いわゆる「抗うつ剤」は脳のセロトニンを増やすはたらきがあります。またメラトニンは昼に少なく、夜になると多く分泌され、これによって外界のリズムと体内リズムが同じになるように調整するはたらきがあります。ある物質が血液を通って脳に入るためには、血液脳関門(BBB:Blood Brain Barrier)という部位を通らないといけません。BBBは脳の関所のようなもので、脳に入っても良い物質とダメな物質を選別するはたらきがあります。BBBによって「脳に入れない」と判断された物質は脳に入ることが出来ません。うつ病では脳内のセロトニンが低下すると考えられていますが、セロトニンの低下によって前頭前野のはたらきが低下すると、などは、深く考えず軽く遊ぶ程度であれば問題ありませんが、「競技」として得点を競う目的でやってしまうと逆効果になってしまう事もありますので注意しましょう。ちなみに運動と言ってもどんな運動でもいいというわけではありません。このように見てみると、こころの病気はセロトニンと深く関わっていることが分かります。またセロトニンについて深く知ることは、メンタルヘルスの向上にもつながります。そのためトリプトファンの摂取は「適度」にとれていれば十分で、それ以上を無理矢理取る必要はありません。「セロトニン(serotonin)」という名前も「血清(serum)」「収縮(tonic)」という2つの用語をつなげたところからきています。当初はセロトニンは「血清にある血管を収縮させる物質」だと考えられていたという事がここからも分かります。また有酸素運動でも複雑な運動はセロトニンを増やす運動としては必ずしも良いとは言えません。その理由は、まだ脳の機能が低下している状態で、頭を使う複雑な運動をしてしまうと、かえって脳が疲弊してしまう可能性があるからです。脳は非常に重要な臓器であるため、異物が侵入しないためにこのような防御システムがあるのです。例えば血管が切れてしまうと出血をしますが、出血すると、血小板から血清にセロトニンが放出される事が知られています。するとセロトニンが血管の平滑筋を収縮させるため、出血部位の血管が縮んで血が止まりやすくなるのです。これは意味がないと考えられています。セロトニンを摂取しても、セロトニンは構造上、脳に入ることが出来ないのです。運動の中でも、一人で出来るような比較的単調な有酸素運動がもっとも良いと考えられています。脳神経の中で最も使われている神経伝達物質はグルタミン酸だといわれています。セロトニンはというと、神経伝達物質の中で占める割合は少ないと考えられていますが、脳に与える影響は非常に大きい物質です。また、統合失調症の患者さんに昔に行われていた治療法として、前頭葉を切除するというロボトミーという手術が行われていた時代がありました。ロボトミーによって前頭葉を切除すると意欲や自発性が低下し、興奮状態にあった統合失調症の患者さんがおとなしくなります。当初はこれを「統合失調症が改善した」と判断されていましたが、これも前頭葉の切除によって自発性や意欲の低下をさせていたのだと考えられます。セロトニンを増やすためには、意識的に脳を活動させることも大切です。意識的に脳を動かすと、それがきっかけとなって脳が活性化し始めます。運動は脳血流を増加させ、BDNF(脳由来神経栄養因子)という神経細胞を成長させる物質を増加させる事が多くの研究で明らかにされています。これによってセロトニン神経も活性化するのだと考えられます。ラットを用いた動物実験でも、人工的に正中神経核を破壊すると恐怖を感じにくくなり、人工的に正中神経核を刺激すると恐怖を感じないような環境でも恐怖を感じるようになる事が示されています。ウィリアムズ症候群という扁桃体の活動性が低下している病気があります。この疾患の方は、非常におおからで優しく、社会的な恐怖心を感じることが少ないことが知られています。同じくクリューバー・ビューシー症候群という扁桃体が破壊される事による障害では恐怖や怒りを感じにくくなる事が知られています。そのため、セロトニン神経はその数は少ないながらも私たちの脳に多くの影響を与えているのです。セロトニンを増やすためには、十分な睡眠も重要です。睡眠不足はうつ病発症のリスクになります。セロトニン神経は日光を浴びる事で、活性化する事が分かっています。うつ病の治療にも運動が有効な事は多くの研究で報告されています。などの高次機能を司っている部位です。いわゆる「人間らしさ」はこの前頭前野のはたらきによってつくられます。私たちが他の動物と異なり、複雑な事を計画したり考えたり、理性を持って社会的活動が出来るのは、この前頭葉のおかげなのです。多くの人と触れ合えば、話をしたり、反対に色々な話を聞いて刺激を受ける事で感情が動かされる機会が増えます。また映画や小説、アートなどに触れ合うことは感情を動かすのにとても役立ちます。セロトニンの主な作用について紹介してきました。このような作用を見ると、セロトニンを増やすことはこころの健康のために良いことが分かります。実際、以前にはうつ病の治療法としてトリプトファンの人工大量投与が行われた事がありました。確かに一定の効果はあったのですが、一方で過剰にトリプトファンを摂取させると重篤な副作用が生じることもあったのです。代表的なものとしては好酸球増多症候群や筋肉痛などがあり、中には死亡するケースもあったそうです。セロトニンはトリプトファンというアミノ酸を原料にして作られます。